紀州屋良五郎の大衆演劇・上方芸能 通信

大衆演劇については全国の劇場や公演場所に出かけ、その地での公演の所感・演出効果・劇団の印象を綴ります。さらに大道芸や上方落語、講談、音頭、漫才、見世物、大道芸、放浪芸、映画評についても思いつくままに書き留めてまいります。 末永くのおつきあいをよろしくお願いいたします。

▩ ひかりの名演で芝居が光る 浅井劇団&逢春座 八尾グランドホテル 2020/06/18

〇 見てもろておおきに〜まいどおなじみの観劇メモでおます

 

☆3月のオーエス劇場以来だ。

☆本日は200人超の入り。

客席はマスク必須。

 

八尾グランドホテル  スケジュール

7 劇団心(蒼月心哉)

8 劇団花吹雪

 

 

浅井&逢春座のスケジュール

7  千葉 柏・みのりの湯

8  東京 立川・けやき座

 

とにかく、芝居のうまい劇団だとこの劇場でも評判。座長になる前からずっと見ているが座長になってからぐんぐん磨きがかかっている。見る度に楽しみだ。

 

吉本NGK天満天神繁昌亭、宝塚も再開した。長い間の休演は笑いの都・大阪では初めての経験だった。まだ、手探りだが徐々に人の広がりが見える。だが、冬が近づくと事態は変わるだろう。大衆演劇も同じだが、やれるるときに新しい様式で続けることが大事なファンを守る道だ。

 

メンバー

総座長  浅井春道

座長  浅井海斗

花形  浅井大空海

浅井みのり

浅井ひかり

浅井陽子

浅井まり

心助

れの

加茂川竜子

責任者  浅井正二郎

※劇団連名表  準拠

 

 

 

芝居 「富の最後」  (一幕五景)

主演  富造‥浅井大空海

三日月長治‥浅井ひかり

振袖親分‥浅井海斗

八丁掘親分‥浅井春道

情婦お滝‥浅井陽子

ほか

 

あらすじ

 

追手が駆け回るなか逃げ惑う三日月長治。追う親分。

 

罪人の三日月長治が脱牢し目明しの振袖の親分に自から捕らえられた。

 

秩父、荒川斎木村が在所の病気の母に一目会いたいとの理由で脱牢したと打ち明ける。事情を聴きいた振袖親分は心を打たれ、願いを叶えてやろうと計らいをする。

 

ただし、条件があった。それは必ず戻ってくることと弟・富造と一緒に行くことであった。

 

振袖親分は、酒癖が悪い富蔵に七日の間、酒だけは飲まないように厳命し三日月長治の同行を託す。そこにも、八丁掘手下の目が光っていた。

 

富蔵も約束し、先に出発した長治を追いかけるが‥敵対する目明しの八丁堀親分が振袖を陥れようと企む。

 

酒癖の悪い富蔵の情婦に富蔵の旅の目的を探らせるように仕組む。金とお酒に弱い情婦はこれを快諾。

 

*この掛け合いが実にうまい。場内爆笑につぐ爆笑だ。また、酒浸りのかわいい女を好演。

 

断酒を誓った富蔵であったが情婦のたくみな攻勢に酒の勢いもあり負け、約束を忘れ気を許しベラベラと旅の目的を喋ってしまう。

 

それを聞いていたのが八丁堀。富蔵を逃亡の手助けをしたとして捉えてしまう。

 

****

 

振袖親分を失脚させるべく富蔵を振袖の所に連れて行くも振袖は富蔵とは喧嘩して縁を切っていると言う。そこを男として責任をとれと富蔵に言い含める。

 

 拷問に耐えるながら一切口を割らない富蔵だった。気を失った富蔵を置いて酒を飲みに行く八丁堀一家。

 

 巧みなアドリブが客席をくすぐり、締まるところはピシャリと決まる。

 

とうとう、富蔵は縛られていた縄を行灯の火で切る‥

 

 縄を切り場面が見せ場だ。山薔薇髪を掻き乱し舞台狭しと演技する浅井大空海

何回も何回も失敗するも、やっとの思いで縄抜けする。この場面は見ものだ。

 

いよいよ、ここからだ‥‥

 

富蔵の男を通す逆襲が始まる

 

ラストは‥‥

 

口上挨拶  座長  浅井海斗

・関西公演は今月が最後であとは関東地方を回ります

・来年3月まで関西公演はありません

・2021年3月梅田呉服座、浅井雷三の三回忌公演

 

 

舞踊ショー  

・工夫こらした飽きさせないショー構成

・ラスト舞踊‥昼・花城     夜・江差恋しや

  

【画像】

見ごたえある芝居、力率ある役者陣、頑張れ浅井劇団&逢春座・紀州屋良五郎