紀州屋良五郎の大衆演劇・上方芸能 通信

大衆演劇については全国の劇場や公演場所に出かけ、その地での公演の所感・演出効果・劇団の印象を綴ります。さらに大道芸や上方落語、講談、音頭、漫才、見世物、大道芸、放浪芸、映画評についても思いつくままに書き留めてまいります。 末永くのおつきあいをよろしくお願いいたします。

▩ 映画『アリスとテレスのまぼろし工場』を見た

〇 岡田麿里が監督を務める2作目のアニメーション作品。主題歌は中島みゆき

 

 

 

〇 予告編

〇 概要

 

あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』シリーズの脚本などを手掛けてきた岡田麿里が、『さよならの朝に約束の花をかざろう』に続いて2作目の監督を務めるアニメーション。

スタッフ
監督・原作・脚本:岡田麿里、副監督:平松禎史、キャラクターデザイン:石井百合子、演出チーフ:城所聖明美術監督東地和生色彩設計:鷲田知子、3Dディレクター:小川耕平、撮影監督:淡輪雄介、編集:高橋歩、音楽:横山克、製作プロデューサー:木村誠、アニメーションプロデューサー:野田楓子、橘内諒太、企画・プロデューサー:大塚学、主題歌:中島みゆき
キャスト
(声の出演)、榎木淳弥上田麗奈久野美咲八代拓畠中祐小林大紀齋藤彩夏、河瀬茉希、藤井ゆきよ佐藤せつじ林遣都瀬戸康史 
 

〇 私の見たまま、感じたまま 〇

 

ひとことで、いいたいのだが言えなくてもどかしい。わかりにくい映画である。

アリスとテレスとう名前が何を意味するかなど考えてはいけない。

 

それをすると感覚がフリーズしてしまう映画なのだ。

 

もし、私が主人公と同じ中学3年生の自分だったらどう見えただろうか?などと考える‥

 

それにしてもキスシーンがアニメにしたら余りに突出してリアルでセクシーに描かれている。

でも、卑猥にならないのは全体の精緻な描き方と色彩感覚、アニメの質の確かさだ。

 

中島みゆきの主題歌(心音)・その曲と歌詞をぜひ聞き返してほしい。

そこに、この映画のすべてを現しているように思う。

どうやら、この映画は見る人の想像力だけがたよりの映画であるようなのだ。

 

私には、爆発した工場、そして、時が止まり、変化を禁じられた世界が始まる。

いつかもとの世界に戻りたいなら今は何も変えてはいけないというルールができたという設定。それを見たとき、閃いたのは、福島第二原発事故だった。世界が注視し、時が止まり、終末を感じたあの時がなぜか甦った。

 

たとえ、どのような終末的現象に遭遇しても人と人がいるかぎり、「愛」がある限り、「心音」はしっかりと耳元に届くという。

 

恋することの素晴らしさは天を阻む龍にも勝るのだということだけは伝わってきたということにしておこう。

 

参加者へ配布のポストカード