紀州屋良五郎の大衆演劇・上方芸能 通信

大衆演劇については全国の劇場や公演場所に出かけ、その地での公演の所感・演出効果・劇団の印象を綴ります。さらに大道芸や上方落語、講談、音頭、漫才、見世物、大道芸、放浪芸、映画評についても思いつくままに書き留めてまいります。 末永くのおつきあいをよろしくお願いいたします。

▩ 映画『PLAN75』を見た

カンヌ映画祭で話題を集めた映画を見た

予告編

 

 

 

 

 

 

 

 

 

STORY

高齢化社会を迎えた日本では、75歳以上の高齢者が自ら死を選ぶ「プラン75」という制度が施行される。それから3年、自分たちが早く死を迎えることで国に貢献すべきという風潮が高齢者たちの間に広がっていた。78歳の角谷ミチ(倍賞千恵子)は夫と死別後、ホテルの客室清掃員をしながら一人で暮らしてきたが、高齢を理由に退職を余儀なくされたため、「プラン75」の申請を考える。

キャスト

倍賞千恵子磯村勇斗、たかお鷹、河合優実、ステファニー・アリアン、大方斐紗子串田和美

スタッフ

脚本・監督:早川千絵
脚本協力:ジェイソン・グレイ
エグゼクティブプロデューサー:小西啓介、國實瑞恵、Wilfredo C. Manalang
エグゼクティブプロデューサー・プロデューサー:水野詠子、フレデリック・コルヴェ
プロデューサー:ジェイソン・グレイ、Maeva Savinien
コプロデューサー:Alemberg Ang
ラインプロデューサー:古賀奏一郎
撮影:浦田秀穂
証明:常谷良男
録音:臼井勝
美術:塩川節子
スタイリスト:岡本華菜子
ヘアメイク:宮内三千代
音楽:レミ・ブーバル
サウンドデザイン:Philippe Grivel
編集:アンヌ・クロッツ
キャスティング:細川久美子
助監督:近藤有希
製作担当:金子堅太郎

上映時間
112分
 
https://news.yahoo.co.jp/articles/2e20a16978e32eb5e77ec419cac5de769aa0244e

 

 

〇 私の見たまま、感じたまま 〇

 

この映画は是枝裕和監督が総合監督を務めたオムニバス映画「10年 Ten Years Japan 」の一編として発表された短編「PLAN75」(早川千絵監督)を長編化したものである。

 

数年前、見たとき深く考える契機を得た忘れ得ない作品だった。このたび、倍賞千恵子の主演で見応えのある作品となった。

 

背景にあるのが国家財政の問題、世界一の高齢化が深刻の度を増す日本の政治課題である。

 

描かれているのが低年金で暮らしに行き詰まる老人達で富裕層は登場しない。

 

そして、元気だが高齢ゆえに社会から疎外され、職を失うと低年金で暮らせない老人達なのだ。皆、五体不自由ではなく、健康なのだ。なぜに、画一的に75歳で一律に死を選び旅立たせるのだろうか。

 

投げかけているのは貧しい福祉、そして心が枯渇した悲しい日本の未来だ。富裕層には命の選択の自由度が大きく、貧困層は国家財政のために死ぬ。つまるところ命の沙汰も金次第ということか。

安楽死を選んだ人達には10万円が支給される。

 

主人公は、この世の名残に上にぎりの出前を頼む。それが最後の晩餐とは儚くなる。

廻りが安らかに死を迎える中、主人公は自らの意思で安楽死施設から抜け出し夕焼けを眺め人生を邂逅する。

 

最後の夕映えのシーンは救いでもであり国と政治への不信と抵抗と思えてならない。

 

きんも100さい、ぎんも100さいといっていたあの長寿大国日本はどこへいってしまったのか

100年安心年金といっていたのは嘘だったのか

 

合法的な尊厳死はあっていいと私は思う。法制化も反対ではない。しかし、それは病気を原因とする場合にかぎるべきだ。経済的・社会的、家庭的条件により差別化されては絶体にならないことが条件だ。そして、なにより、自らの意思表示を大前提に厳格に行われるべきであると思う。

 

生きたいと思う意思がある以上、可能なら1000歳まででも生きられるように保障するのが政治と国家の果たす安心への役割であると強く願わずにはいられない。

 

すべての人に見て欲しい映画である。そして、生きるとは…を考える契機にしてみたい。

▩ 嵐瞳劇 オーエス劇場 2022/06/16

 見てもろておおきに〜まいどおなじみの観劇メモでおます。燃えたぎる座長の芝居魂。

 味のある深い芝居は嵐瞳劇  充実の演目が連日

昼夜演目替えも  

(別掲)

 

 

 

 男性客が女性客を上回る客席は希有

 

オーエス劇場 スケジュール

07 鳳凰

 

嵐瞳劇  スケジュール

07 やまと座

 

メンバー

座長  嵐山瞳太郎

葉山萌香

葉山桃羽

葉山花凜

嵐山心次郎

葉山京香(太夫)

高野花子

長縄龍郎(劇団龍の風・座長)

岬寛太(座長)

 

顔見せミニショー

 

 

 

芝居「嵐山花五郎」

 

《配役》

嵐山瞳太郎座長‥嵐山花五郎

嵐山心次郎‥流星権次の子分

葉山萌香‥花五郎の子分

高野花子‥茶店の爺/目明かし三次

葉山花凜‥茶店の娘

岬寛太‥流星権次

長縄龍都‥代官

ほか

 

爺さんと娘さんが営む茶店にいきなりやって来たやくざ。借金の理不尽な取立だ。

 

流星権次親分から五両の金を借りたが、返せずにいると、五十両になったから返せと矢のような催促のため子分たちがやってきた。返せないと言うと、娘を連れて行ってしまう。

 

流星は、娘を嫁にしたいという。

そこに、元は同じ相撲部屋にいた口入れ稼業の侠客嵐山花五郎があらわれた。

 

その話をきいた、嵐山花五郎は子分の三次と一緒に流星のところへ出向く。

 

花五郎が娘を返せと言うと、そんなものはいないと流星。

 

だが、櫛を見つけた花五郎。

娘を連れだし、逃げさせる。

 

 所作と歌舞伎の七五調台詞が決まる。

 

その頃、花五郎のもとに権次の使いがやって来て、権次が亡くなり滝泉寺で弔いがあるとのこと。聞くやいなや花五郎は弔いへと足を向ける。

 

ところが、その途中に役人三次に命を狙われるも、実はこの三次は以前からの見知り。話は早い。

 

三次が花五郎と計った上で代官のところに引っ張っていく、ところがその役人というのは花五郎の知り合い。この役人がうまく縄ぬけさせてしまう。

 

流星たちと悪い代官たちを見事に成敗する花五郎。

 

 芝居の要所を芸達者が固めいっそう見応えある芝居になっている。

 

 

………………………………………………

 

舞台口上  (嵐山瞳太郎座長)

 

 

・いつも芝居にかける熱い思いを語る座長

・白塗りについての所感

西成区オーエス劇場は老舗、ここで公演できることは誉れ、芝居好きのお客様が多く、男性客も多いのがこの地域。

・これからの出し物を熱っぽくかたる。

・座長率先で前売り券&グッズ販売

 

 

歌と踊りのグランドショー

 

☆ ラストショー

・みやこの宵い酔い小唄

・瞳太郎ラスト女形

 

 

【画像】

火傷するほど熱い芝居への思い滾る座長に好感・紀州屋良五郎

▩ 燃えるほどエネルギッシュな舞台 正舞座 九条笑楽座 2022/06/15

見てもろておおきに〜まいどおなじみの観劇メモでおます。期待は絶対裏切らない劇団だ。

☆ 本日は千円デー

結成4年、益々充実の舞台。

当ブログ 絶賛おすすめ劇団  芝居の精度は星5つ

正舞座のイベント演目は劇団公式Twitter参照

正舞座(しょうぶざ)は芝居で真剣勝負する劇団だ!そんな劇団が私は好きだ。

 

★ 九条笑楽座 スケジュール

7  劇団丞弥

8  劇団澤宗

9  劇団神龍

 

正舞座  スケジュール

7  あがりゃんせ雄琴

 

メンバー

座長  要正大

颯天蓮

陽月ゆり

舞咲花奈

舞咲碧士

舞咲龍菜

舞咲輝哉

陽月輝哉

 

後見  かつき浩次郎

 

 特別ゲスト  長谷川桜

 

☆ オープニングショー

 

芝居「新説 瞼の母

<あらすじ>

要正大‥番場の忠太郎

長谷川桜‥夜鷹

陽月ゆり‥おはま  料理茶屋「水熊」の女主人

舞咲花奈‥お登世

舞咲碧士‥板前

 

ほか

 

あらすじ☆ 

 

長谷川伸の戯曲が元題。

 

少年は八歳で行き別れとなる。母は苦界に身を沈めていた。やくざ渡世の忠太郎は幼い頃母親に別れ、父親は十二で亡くす。以来、天涯孤独の身の上。

 

夜鷹が料理屋水熊の女将さんを尋ねてくるもすげなく追い払われる‥

 

その婆さんを助けるのが忠太郎。忠太郎はその夜鷹に大きな子はないかと尋ねるも、子は死んだと答える。夜鷹は探し人があるなら考えてやると答える。探し人というのはお袋さんだねと夜鷹。

 

水熊の女将さんならそんな話を聞いたことかあると語る。

 

忠太郎は水熊の女将おはまに会いに行く。

しかし、おはまにはすでにお登世という娘もあり娘のために忠太郎は自分の子ではないとつっぱねて追い返す。

 

忠太郎とすれ違って兄と悟ったお登世。

 

お登世は母を問い詰める。あれはやっぱり兄。

私にとっては兄さん、私は兄さんを探しにいくと言って飛び出す。

 

誰か、早駕篭二丁用意しておくれとおはまも忠太郎の後を追う。

 

一方、忠太郎が尋ねてきたことを快く思わなかったのが水熊の身代を狙う番頭だった。

 

用心棒まで雇い忠太郎の命を狙うも見事に成敗し、事なきを得る。

 

忠太郎は母と妹の声を聞くや、身を陰に隠すのだ。

 

忠太郎は二人には会わず再びアテのない旅路へ足を運ぶのだった。

 

両の瞼を閉じたらそこには忠太郎の母の残像が明らかにあるのだ。

 

 

 

ところが、忠太郎。旅の途中に江戸に突然の地震がとの話を聞く、そして、柳橋は壊滅と。

 

それを聞いて、おっかさんのことが気になり水熊の場所へ戻る。

 

そこで母と妹に再開。

 

忠太郎に心底詫びる母。

 

母を許す子、子に詫びる母、縺れた糸が災難が契機に、ここで繋がる……

 

親子がひしと抱き合い 

 

瞼の母、ハッピーエンドバージョン

 

************************************

 

*実に迫力ある芝居、決まる芝居、さすがだ。隙がない。芝居の醍醐味を感じる劇団。

 

 里見要次郞に入門し、若葉しげるからも芝居を学び精進を積んできた、それが要正大だ。

 

人情芝居は泣かしてなんぼなのだ。!

 

************************************

 

 

☆ 舞台口上   要正大座長

・ゲスト紹介

・前売り券&グッズ販売

 

 

*座員が増えているのは凄いこと

 

■ 舞踊ショー

 

ど肝抜くバラエティに富むショー構成はさすがだ

 

ラスト  

 

 お客様を徹底して楽しませる座長・要正大!

ラスト  

 

芸道魂を燃やし尽くす熱狂的舞台。

総勢、新人含む、きっちり舞踊揃う群舞の華麗さは大衆演劇界指折りといってもいいぐらい美事。

 

【画像】

芝居もショーも緻密な演出と完成度は最高・紀州屋良五郎

▩ 火を吐くせりふと魂の殺陣 宝海劇団 新開地劇場 2022/06/13

☆ 見てもろておおきに〜まいどおなじみの観劇メモでおます

☆ ここ新開地界隈は神戸随一の歓楽街でもあり、寄席、劇場が立ち並ぶ町であった。今はなき聚楽館、神戸松竹座はこの地が興業全盛であった頃の歴史を刻んでいる。

 

 

★私にとって、どの劇団をどの劇場で見るかも大事な要素。

 

☆ この新開地劇場の付近にもう一つ大衆演劇の小屋がオーブンする。(8/5 柿落とし 本家真芸座  9月公演・劇団ふじ)喜楽館にならび再び大衆芸能の中心地になって欲しい。

 

☆ 扇といえば宝海大空だ、お面もやはり宝海大空空也と大心が座長7年目の宝海大空を支える

 

☆ あまりに美しい宝海大空の舞姿、指先の動きに美。女形は勿論、立役にもオーラ。

女性ファンが集まるのは当然だ。

 

★ 新開地劇場の予定

7  橘劇団

8  恋川劇団

 

宝海劇団  予定

7  御所羅い舞座

 

メンバー

座長 宝海大空

花形 宝海蘭丸 

宝海空也

宝海大心

宝海竜也  太夫元・園長

宝海真紀

宝海愛輝

城津果沙

ちび丸

三代目ボーイ豆タンク

 

芝居「地獄の花嫁」

 

【配役】

座長‥千吉

宝海空也‥小松

宝海蘭丸‥妹お里

宝海愛輝‥お嬢さん

宝海竜也‥代貸の源太郎の兄貴

〇〇〇‥上州屋親分

ほか

 

【あらすじ】 

 

親分から突然のはなし、娘をもらってくれないかと。新参ものゆえと固辞するも話はトントン拍子に祝言の日取りまできまる。

 

ところが快く思わない奴がいた。なんとか、蹴落とす手はないかと算段する。

 

そのとき、店に謎の大火が起こる。親分と娘は何とか助かるも助けた千吉は顔に大きな傷をつくってしまう。

 

それ以来、塞ぎこむ千吉は毎日が酒浸り。そんななか甲斐甲斐しく妹がいじらしい。

妹は、励まし、顔の傷は男のあかしだよと呟く。

 

そこへ、兄貴が尋ねてきて祝言の話をするが、祝言の相手は兄貴分の小松だと聞かされる。

 

腹のむしが収まらない千吉。親分に会い思いを言わずにはいられないと言うも恩ある親分に盾つくのは止めてくれと周囲は止める。

 

 血を吐くように全身を震わせセリフを吐く、宝海大空座長。まさに、座長芝居だ。

 

煮え湯を呑むつりで祝いに行ってくれと兄貴が頼み、心を鬼にして千吉は親分の元へとむかう。

 

着ていくものがないという千吉に、妹はあの祝言のためにしつらえた着物をとりだし、身繕いをするのであった。

 

立派な出で立ちで店へ、何があっても短気だけは起こさないでと妹お里。どうか、無事な姿で帰ってと送り出す。

 

皆が化け物、化け物というがこの面(つら)はいったい誰を助けるためになったのかよく考えておくんなせえよ‥

 

悲しい、悲しい最期はどうか舞台にて‥

 

 

舞台口上     宝海大空座長

・今日のお芝居は他では「留八しぐれ」としてされているお芝居です。

・前売り券販売も舞台にて、お見送りもなし

image

グランドショー  

宝海大空女形づくし

 

【画像】

私の目にはいまでも信州・大勝館で初めて見た13才の宝海大空が焼きついて離れない以来見続けている・紀州屋良五郎

 

 

🔻オムライスの名店  私のランキング2位

 

https://s.tabelog.com/hyogo/A2801/A280109/28000390/

 

 

 

▩ 松丸家ちょうちょ誕生日公演 劇団松丸家 紀の国ぶらくり劇場 2022/06/09

〇見てもろておおきに〜まいどおなじみの観劇メモでおます。

 今まで見たどんな芝居より、心打たれる名演技、名場面の数数、劇団松丸家の底力のすさまじさを見た。

 

メンバー

座長  松丸家小弁太  

副座長 咲田せいじろう

松丸家美寿々   

松丸家こもも   

松丸家ちょうちょ

松丸家りへいどん

松丸家あ~ちゃん

 

ゲスト出演

雷鉄命

昴斗真

二代目鹿島順一(本日)

 

【劇団スケジュール】

7 行田・湯本天然温泉 茂美の湯 行田もさく座

 

 

【紀の国ぶらくり劇場のスケジュール】

7  劇団神龍

 

顔見ショー は無し

 

芝居「銀の簪」

主演‥座長 松丸家小弁太&松丸家ちょうちょ

 

配役

松丸家小弁太‥清之助

松丸家こもも‥梳き子おさよ

松丸家ちょうちょ‥おかつ

咲田せいじろう‥家主の本田

松丸家美寿々‥梳き子おみつ

昴斗真‥髪結いの客

まなと‥町衆

二代目鹿島順一‥おさよの兄貴

雷鉄命‥町衆、昆布巻き屋

 

 あらすじ 

 

渋谷天外(館直志)原作。松竹新喜劇

 

髪結のおかつの亭主、清之助は腕の立つ大工だが、今では「髪結の亭主」の典型のような男。働かずにおかつに食べさせてもらっている。

 

井戸から探していた簪が見つかった場面から。

 

街の人たちはおかつのあまりの清之助への偏執、独占欲に辟易している。

 

井戸から見つかった銀のかんざしをおかつに渡す清之助。礼を言いに行くという清之助をやっかみから差止めるおかつ。髪結いが男に惚れると駄目になると客になじられる有様。

 

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・痛いほどつたわる恋女房の嫉妬の炎

芸の力は凄まじい。松竹新喜劇の名品が松丸家ちょうちょ、松丸家小弁太の芝居で命が吹き込まれた感じがする。

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髪結いの店の場。

二人の絶妙な芝居。おかつ&清之助。

 

おかつの髪結床も最近はめっきり客が減っている。というのも、おかつが本業そっちのけで清之助にかかりっきりなためだ。この日も客をそっちのけで亭主の機嫌をとるおかつ。  

 

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家主がおさよの兄貴を連れてきた。

二人を引き裂く魂胆だ。

 

客が減ったため、給金も払ってもらっていないという。それを聞いて驚く清之助。おかつもしぶしぶそれを認める。家主の本田は一計を案じていた。

 

清之助を元の棟梁・大松組のところでふたたび働かせ、さらには彼を母のもとに戻すというもの。もちろん清之助とおかつにはそれを隠し、表向きは二人が一ヶ月だけ離れて暮らすことを「提案」。清之助は土田のところで働くということにしておく。おかつも折れる。

 

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清之助はそういう「企み」を知らずにおかつと別れ、土田のところに行く。というのは表向き。実際は元の棟梁のところに戻る。棟梁は清之助がおかつと一緒になるのに反対だったので、おかつが無理に清之助を辞めさせたのだった。

 

・一月の歳月ながれ‥

 

減っていた客も戻ってきて、おかつの髪結床は繁盛している。あれから一ヶ月経ち、清之助が戻ってくるのを楽しみにしているおかつ。

 

ところが実際には清之助が元の棟梁のところで働いているという情報を、豆腐屋が漏らす。そんなはずはないと打ち消すおかつだが、心配になる。彼女が出かけたところに梳き子のおさよがもどってきて、もう一人の梳き子、おみつに、兄と家主との共謀を打ち明ける。

 

それのみならず、家主が清之助を別の女と結婚させようとしていると伝える。おかつの狂暴な怒りを怖れた二人、逃げ出そうとしたところにおかつが戻る。

 

問いつめられて、おさよは兄たちの「共謀」、そして清之助に縁談が持ち上がっていると白状。それを聞いたおかつ、一升瓶にどんぶりでやけ酒をあおる。

 

*この酔いつぶれるやけっぱちのおかつを素晴らしい演技で演じあげた‥松丸家ちょうちょ 好演  25才の女優、美事な金字塔や

 

酔った勢いで剃刀を持ち出し、土田のところへと飛び出して行く。

 

〇そこへ家主の本田と清之助が戻って来る。おかつが剃刀を持ち出して「なぐりこみ」をかけたと聞かされた清之助。本田に抗議する。そこまで深く深く惚れられた男の冥利を説く。

 

おかつが土田たちに連れ戻される。

ここからが最大の見せ場。

 

二階にあった丑の刻参りの藁人形。それを見た清之助。愛しくなったと‥

 

酔いつぶれたおかつに向かって、清之助は「おまえだけがわしの女房や」と告白をする。その清之助にすがって大泣きするおかつ。ここでの二人の演技と迫力は絶賛だ!

感動よんだ100分間。

 

 

口上挨拶   座長 松丸家小弁太

・前売り券&グッズ販売

・演目スケジュールの紹介

・来月から関東方面の公演になり、また関西に戻ります。

 

舞踊歌謡ショー  

 

【画像】

https://twitter.com/matumisuzu/status/1536650272688287745?s=12

 

 

泣いて笑って、笑って泣いて、美事な喜劇を演じあげた松丸家は最高・紀州屋良五郎  

■ 我がふるさと すわん江戸村 劇団紀州 和歌山・すわん江戸村 2022/06/09

 まいどおおきに〜ひさしぶりにやって来ました。愛する石松は今日も元気だ。

★ すわん江戸村については雑誌カンゲキ20198月号に特集で詳しく掲載されている。

 

★ 江戸村のSiteには詳しい案内がある

https://www.suwan-edomura.com/

 

 

 

 

 

〇待ち遠しいイベント・劇団紀州特別公演 

井澤弥惣兵衛  和歌山城ホール  6.19

 

このイベントが和歌山県で大反響、大きな話題になっている。

 

八代将軍吉宗に仕えた土木侍の芝居である。

和歌山政界の二階氏、県会、市会、市幹部も観劇予定らしい。

 

〇ここ和歌山・海南すわん江戸村は怪気炎をあげている。その源泉は師匠、市川昇次郎先生が不死身の尽力でコロナの荒海で舵取りしているからだ。

 

毎週  火・水 休演

   木・金・土・日・月の昼/1300 /1800

*昼夜公演は土日のみ

 

外部公演もあるので詳しくは電話で確認…073-482-5758

和歌山県海南市且来645-1

 

メンバーは師匠・市川昇次郎を慕って全国から集まって来ている。

 

 

ここのスタイルがこれからの大衆演劇の一つの形だ。

 

わたしを見るといつも短い芝居を見せてくれる石松。外題は石松と私しかわからない。

 

 

 

 

 

メンバー

市川昇  

市川福介

市川勇車  

市川太仁志  

市川こより

市川香加舞

歌手・春菜美保

ほか

 

後見/市川昇次郎

 

芝居「桜しぐれ」

*キャスト*

市川昇‥しぐれのお時

春菜美保‥芸者おつた

市川勇車‥ご先生

市川香加舞‥一力茶屋女中

市川太仁志‥おつたの兄 役人

市川福介‥鰐鮫一家代貸

瞳ひろし‥鰐鮫権造親分

市川こより‥子分

ほか

 

(あらすじ概略)

鰐鮫一家の権造親分に可愛がられていた芸者のおつた。親分に嫌気をさして飛び出し兄のところに逃げこんだ。

 

探しにやってきたご先生と子分たち。兄をみつけ殺めてしまう。いまわの際に兄は、妹おつたに、俺をやったのは鰐鮫一家といいのこす。

 

それを、見ていたしぐれのお時姉さん。この仇は必ずとってやると妹おつたを励ます。

 

二人は犯人成敗に駆ける。

 

一方、鰐鮫親分は仮祝言の場、一力茶屋でクビを長くしておつたを待っている。

 

後ればせながら駆け込んできた芸者おつた。

親分に頼みがあると切りだす。

 

姉芸者お時さんも同席させてくれとたのむ。

 

女に目のない鰐鮫親分、でれでれと承諾する。

 

しぐれのお時は亡くなった弔い代として100両をだしてくれとふっかけた。

 

さあ〜しぐれのお時が啖呵を切れば、なにかがはじまる。

 

お後は江戸村で‥‥

 

 

*芸達者の劇団メンバーが繰り広げる喜劇は絶品だ。関西弁の喜劇にご当地、和歌山弁がちりばめられた舞台はほっこりとした味わいがある。

 

舞台口上   市川福介

・イベント紹介

・前売りチケット2000

・期間なしで利用可能。

 

グランドレビューショー  

ラストステージ   

     黒い瞳 ナタリー」(袴踊群舞)

 

【画像】

ここが私のヒーリングスポット&パワースポットだ。万歳すわん江戸村・紀州屋良五郎

 

師匠・市川昇次郎は125才を目標に新しい挑戦をはじめた!

▩ 小寅丸の奮闘で喜劇光る 劇団丞弥 鈴成り座 2022/06/08

〇見てもろておおきに〜まいどおなじみの観劇メモでおます。

 

☆ おそらく大入り

 

201910月に和歌山・七福座で旗揚げした劇団丞弥、劇団天華にいた澤村丞弥が立ち上げた結成4年目の劇団だ。

 

私はこの劇団の副座長・澤村悠介さんが大衆演劇界きっての天性の女形役者と思っている。しな、しぐさ、声色、かわいさ、全てが自然でなりきっている。アドリブも巧みだ。

 

★ 鈴成り座スケジュール

07 浪花劇団

08 剣戟はる駒座 

 

メンバー

座長 澤村丞弥

副座長 澤村悠介

澤村すばる

澤村蛍

澤村風舞

澤村如乃

喜多川志保

ほか

橘小寅丸

 

【ゲスト出演】

蘭竜華

 

芝居「ドブの花」

 

 【配役】

・ちょぼ‥橘小寅丸

・番頭‥澤村すばる

こいさん‥澤村蛍

・女中頭おしな‥澤村悠介

・板前‥喜多川志保

・若旦那‥澤村丞弥

・役人‥蘭竜華

 

(あらすじ簡略)

 

突然、火事が起こるもちょぼが若旦那を助け出す。しかし、何かの災いで若旦那の目が見えなくなってしまっていた。

 

どさくさに、番頭が金を持ち逃げする。

 

この芝居、近江飛龍劇団で喜劇として演じられたものがベースになっている。

 

こいさんが若旦那に手紙をよこし、近々訪ねてくるとのこと。ところが、その手紙の中身は破談にしたいという内容。

 

それを若旦那に、こいさんが若旦那にあいにくるといってしまった。ちょぼは謀を案じ、自らこいさんを演じる。

 

思いあまったちょぼは身を売り金を作る作戦に出るが全く客がつかない。通りかかったのがあの番頭。番頭が自白し、ちょぼと乱闘騒ぎになり深手を負う。

 

命絶え絶えで女中に介抱され、番頭の悪事もばれ、若旦那は始めから分かっていたと告白する。息、絶え絶えのちょぼ。

 

あげく、若旦那の腕の中で果てるちょぼ。

 

 

 台本があろうとなかろうと、臨機応変、変幻自在に舞台で演じ、喜劇にも、人情劇にも演出し魅せる、これが大衆演劇の魅力・底力なのだ。

 

だから、応用力ある役者の力が全てを決める。おなじ芝居でも劇団により、役者により180°変えてしまう。いやはや、凄いもんだ。

 

【どぶ】

雨水・汚水などが流れるみぞ。

仏教語で如蓮華在水  

 

美しい蓮の花は、泥沼の中から出てくるといわれる。この芝居でいえば、「ちょぼ」役がそれにあたる。よく、大衆演劇でも上演される「へちまの花」の類似バージョンともいえる。汚水を洗い流す存在感ある花ある役柄だ。

 

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

        やはり芝居が大衆演劇の肝だ。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

舞台口上  

・座長のトークはとても巧み

・前売り券&グッズ販売

・イベント紹介【写真】

 

 

 

 

☆ 花の舞踊絵巻

 

・オールメンバー

・群舞、相舞踊、変化、照明、バリエーションが素晴らしい。選曲や曲の編集もかなりだ。

・ラスト舞踊‥花城

 

【劇団スケジュール】

7  九条笑楽座  

8  松山劇場

  

【画像】

見る度に総合力、集客力が上昇している劇団丞弥・紀州屋良五郎