紀州屋良五郎の大衆演劇・上方芸能 通信

大衆演劇については全国の劇場や公演場所に出かけ、その地での公演の所感・演出効果・劇団の印象を綴ります。さらに大道芸や上方落語、講談、音頭、漫才、見世物、大道芸、放浪芸、映画評についても思いつくままに書き留めてまいります。 末永くのおつきあいをよろしくお願いいたします。

■ 映画『拝啓、永田町』を見た

○ まいどおおきに〜映画メモでおます

 

拝啓、永田町

2021年/日本/101分

監督土田ひろかず

出演西村直人、山中アラタ、吉田テツタ、楠美聖寿、新保徹夫、岡部尚、辰巳蒼生、大山大、吉田悟郎、谷川昭一朗、矢崎希菜、中藤契、愛鈴、小原汰武、白奈里渉、三枝翠、芝本智美、​​久保ひとみ大河内奈々子駿河太郎

公式サイトhttps://www.haikei-nagatacho.com/

「変わらない、変えられない国」封建的で非効率な医療制度に翻弄される現場の医師達。その犠牲になった親友の後を託された破天荒だが患者一途の医師峰山。二人三脚で峰山と病院を支える健気な秘書坂上。そんななか二人が観た映画『選挙』に心を揺さぶられ、出馬を決意する峰山。しかし、参院選までは残り2週間…。坂上は峰山の熱意と周囲の猛反対との間で板ばさみになりながらも、警察もあきれるほどのドタバタ選挙戦へ…。その健闘ぶりが当時政権与党になったばかりの政和党の目にとまり、参院補選に担がれ、あれよあれよという間に国会へ。しかし、一年生議員として奮闘する二人を待っていたのは全国比例区へのくら替え、そして「三つの敵」…。一方、時を同じくして、坂上の娘・桃子はブラック校則を変えるため高校の生徒会長選に立候補。家庭と職場に選挙を抱えた坂上は「こどもたちの選挙へのひたむきさ」から見えてくる「大人の選挙への理不尽さ」に戸惑い翻弄されながらも「変わらない、変えられない国」の闇に挑んでいく。現役医師・元参議院議員である土田ひろかずが三度の国政選挙経験から見えてきた政治・選挙の裏側をコメディタッチをまじえながら描く社会派ストーリー。

 

 

○ 私の見たまま、感じたまま ○

 

「変わらない国、変えられない国」の闇に挑んでいく。という映画にしては闇の深さが描かれていない点に不満がのこる。

 

苦闘する同僚医師の死、映画館でみた「選挙」に惹かれ突然、立候補する院長。院長が目指す医療改革の中味にもう少しリアルさ、具体性が欲しい。これが共感されないと「なんで、そこまでしてと思いにくくなる」

 

終末医療に金がかかり保険点数がたかいといって少子化対策に力をいれるのは医療改革なのかな。むしろ、高齢化が世界一高い日本では健康寿命を延ばすための医療改革こそ斬新にみえる。

 

栄養指導や運動指導、トレーニングに医学管理点数をつけ「自分のことが自分でできる老後」こそ、これからの医学分野だ。それに、在宅を基本とした医療制度も定着しないといけない。

時間外に連絡を遮断するかかりつけ医はいらない。さらには、自分の死に方を選べるような制度化も必要だ。

 

延命治療、透析で儲ける医者は悪徳医者だ。耆婆、扁鵲、花岡清州、赤ひげに学べ。

日本病院協会、日本医師会の改革が先だ。

 

今の選挙を事実上仕切るのはメディアである。切り口の古さがあまりも映画をつまらなくしている。小さな仕掛けが全部尻切れ蜻蛉になっていて脈絡を欠き、中途半端なのは残念だ。