紀州屋良五郎の大衆演劇・上方芸能 通信

大衆演劇については全国の劇場や公演場所に出かけ、その地での公演の所感・演出効果・劇団の印象を綴ります。さらに大道芸や上方落語、講談、音頭、漫才、見世物、大道芸、放浪芸、映画評についても思いつくままに書き留めてまいります。 末永くのおつきあいをよろしくお願いいたします。

▩ 映画『ドライブ・マイ・カー』を見た

◯ 話題作、前評判は高い。幾たびもノーベル賞の名に挙がる作家・村上春樹氏の作品だ。今年こそノーベル文学賞の前触れを感じさせる動きだ。

 

 

 

 

STORY

脚本家である妻の音(霧島れいか)と幸せな日々を過ごしていた舞台俳優兼演出家の家福悠介(西島秀俊)だが、妻はある秘密を残したまま突然この世から消える。2年後、悠介はある演劇祭で演出を担当することになり、愛車のサーブで広島に向かう。口数の少ない専属ドライバーの渡利みさき(三浦透子)と時間を共有するうちに悠介は、それまで目を向けようとしなかったあることに気づかされる。

キャスト

西島秀俊三浦透子霧島れいか、パク・ユリム、ジン・デヨン、ソニア・ユアン、アン・フィテ、ペリー・ディゾン、安部聡子、岡田将生

スタッフ

原作:村上春樹
監督・脚本:濱口竜介
脚本:大江崇允
音楽:石橋英子
プロデューサー:山本晃久
撮影:四宮秀俊
照明:高井大樹

上映時間
179分

 

 

 

◯ 私の見たまま・感じたまま ◯

 

はっきり云って期待は裏切られた。3時間の映画、非情に冗長なドラマ展開。大事な人を喪失した心情をいくつも重ねて描く。

 

しかし、まだるっこいほど踏み込まない。どうして、そんなに俯瞰的に人の感覚を描くのか私には理解しがたい。これが地方都市、広島だから見ていられたというほかない。

 

ただ、心理描写を切りとったような映画でここまで引きつける監督の映像技量は高く評価する。

 

人間の実在、非情さ、リアルさをそぎ落としあくまでクールに高みから見下ろすかのような視点は好みの分かれるところだろう。

 

私にはなぜアメリカでの受賞対象になったのかがわからない。私にとっては、広島を舞台に展開されているという一点だけが最後まで見続けられた理由だ。

 

村上春樹ファンならどう映るのだろうか