紀州屋良五郎の大衆演劇・上方芸能 通信

大衆演劇については全国の劇場や公演場所に出かけ、その地での公演の所感・演出効果・劇団の印象を綴ります。さらに大道芸や上方落語、講談、音頭、漫才、見世物、大道芸、放浪芸、映画評についても思いつくままに書き留めてまいります。 末永くのおつきあいをよろしくお願いいたします。

◼️ 劇団昴星 梅南座 初日 2022/07/01

☆ 見てもろておおきに〜まいどおなじみの観劇メモでおます

☆ 南座は初乗り  今月はここからスタート

☆ 1415日は休演日、毎回金曜日の夜の部なし、2時間30分の公演。ゲストは別掲。

☆ 客の入りは十数名、男性客が半数

☆ 3年ぶりで期待していた

 

 

メンバー

座長  大和みずほ

大和一也

大和美明

大和龍

大和拓矢

美月かな

 

芝居「恋の大川流し」

 

【配役】

大和美明‥手代の佐吉

座長‥弥吉

大和一也‥壇那

美月かな‥芸者花千代

ほか

【あらすじ】

 

主人公は、上方での長く辛い修行を終え、許嫁と夫婦になるために帰ってきた矢吉。

だが、許嫁の千代には実は好きな人がいてました

 

許嫁のことを思い、自分は身を引くためにひと芝居打つことに‥‥

 

お嬢さんを捜す女将さんと女中たち

若旦那を探す丁稚たち

 

佐吉とお嬢さんはやっと出会う

道で出会った男に諭された二人。

 

店に帰り「一緒にさせてくれと頼みなはれ  あかなんだら身投げでもすると云えばええんや」と言われた通り急いで戻る。

 

今日は 約束どおりの仮祝言の日

 

若旦那は 馴染みの芸者に頼み、一芝居打ち、身を退く‥そんな細工で好き合った二人を 一緒にさせてやる。

 

美空ひばりの大川流しの曲流れクライマックス

 

ざっとの筋はこんな感じ

 

* さらっとした芝居、若いメンバーが座長のまわりを囲むような芝居。劇団昴星の馴染みはここら界隈では少ないのか‥

 

閑話休題 西成と芸能 

 

昔、新世界に新花月という松竹芸能系の劇場があった。新人はここからスタートする。観客は毎日のように通ってくるだから目も肥えている、手抜きは出来ない。客と舞台の真剣勝負という緊張感があった。

 

落語の六代目笑福亭松鶴や、いとしこいし、かしまし娘、三代目桂春団治などそうそうたるメンバーがここで初舞台を踏んでいる。

 

私が見たときも「春やすこ・けいこ」という若い女性コンビが客から「おもろない、ひっこめ」といわれ立ち往生していたのを記憶している。とにかく、厳しかった。

 

一方、演者も肚がすわっていた。桂文紅が酔って客どおしが雑談をしていたら「出ていってくれ」と舞台から恫喝していた。うっかり、居眠りも出来ない緊張感があった。

 

笑福亭鶴光によると、最初の数日間は「やめやめ」といった罵声ばかりで師匠の六代目松鶴に相談したところ、「おまえ、客を見下してるやろ」という指摘とともに噺の前に「誠心誠意頭を下げて」挨拶することを指導され、それを実行した翌日の高座からは客が聴いてくれるようになったという。

 

西成は芸人にとって修行するのには最高の聖地であると私は思っている。大衆演劇においてもこの西成区に三座(梅南座・鈴成り座・オーエス劇場)、浪速区に二座(浪速クラブ・朝日劇場)が密集している。その日の公演の評価は一夜にして口コミで伝わるという大衆演劇のバトル基地である。 緊張感のない劇団は敗退するしかない。

 

口上挨拶   座長 大和みずほ

・梅南座はゲストでの出演はありますが劇団としては初乗りです。

・先月、足の甲にヒビが入り立ったままでの口上挨拶で失礼します。

 

 

14日、15日が休演日、金曜日は夜の部なし

・前売り券&グッズ販売

 

 

■ 舞踊ショー

 

【画像】

旅芝居の大和魂を西成界隈で咲かせ欲しい・紀州屋良五郎