紀州屋良五郎の大衆演劇・上方芸能 通信

大衆演劇については全国の劇場や公演場所に出かけ、その地での公演の所感・演出効果・劇団の印象を綴ります。さらに大道芸や上方落語、講談、音頭、漫才、見世物、大道芸、放浪芸、映画評についても思いつくままに書き留めてまいります。 末永くのおつきあいをよろしくお願いいたします。

▩ 燃える33才の芸道魂 嵐瞳劇 梅南座 2022/09/03

 見てもろておおきに〜まいどおなじみの観劇メモでおます。

 

いつも燃えたぎる座長の芝居魂を感じる舞台だ。

 

なんと言っても嵐山瞳太郎の魅力は礼節、折り目正しさ、律儀、芸道にかける執念だ。

一服の清涼剤を飲む爽やかさだ。これは、天性のものだろう。

 

本日、大入。心配りがあったかく、弟子想いの座長だなぁと伝わってくる。前売り券を買いたいなと思う座長だ。劇団は数あるが、そんな座長は実は少ない。

 

〇33才の㊗お誕生日おめでとうございます。

 

 味のある深い芝居は嵐瞳劇  充実の演目が連日

 

 男性が比較的多いのが嵐瞳劇の好感度に比例している。希有な劇団である。

 

南座 スケジュール

10 黒潮劇団

嵐瞳劇  スケジュール

 

10  国立文楽劇場  10/19

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メンバー

座長  嵐山瞳太郎

葉山萌香

葉山桃羽

葉山花凜

嵐山心次郎

葉山京香(太夫)

高野花子

長縄龍郎(劇団龍の風 座長)

 

新作特別狂言「死神」

 

 

 

 

《配役》

 

嵐山瞳太郎座長‥瞳吉

嵐山心次郎‥番頭

葉山京香壇那

高野花子‥女房

龍郎死神

ほか

 

・まさに、落語と大衆演劇のチャンプルー

・あの米津玄師もこの『死神』に挑戦した。

 

 

 

・開演前にお客様にミニろうそくを配り、客席も巻き込む楽しい演出に拍手を贈りたい。

 

お客様もこの命のローソクで芝居に参加

 

お持ち帰りのプレゼントになった。

決して枕元に死神を寄せつけてはなりませんぞ

 

・この芝居、座長が立川志らくの「死神」をベースに誕生日バージョンとしてアレンジして創作しただけあり、最後が圧巻の見せ場となる。意表を突くどんでん返しに演出のワザが冴える。

 

・内容は落語の参考をご覧下さい。ぜひ、舞台で

 ・これからも意欲的な演目が続きます。  南座へお運びください。

………………………………………………

 

舞台口上  (嵐山瞳太郎座長)

 

・いつも芝居にかける熱い思いを語る座長

 

・私は以前から落語をよく聞いていまして、落語を芝居にしたいと思っていました。

 

・ほかの劇団でこの「死神」をされたところがあるかは知りませんが名作ですので取り組みました。

 

・このたびは落語の「死神」を大衆演劇として書き直してみた。

 

・この落語はたくさんの方がやられていて、サゲもいろんな形があったが私は立川志らくさんのものをベースに書きました。

 

なぜ、誕生日に「死神」と思われた方もいるでしょうがネタバレになりますので㊙です。

 

・これからの各種演目を熱っぽくかたる。

 

・座長率先で前売り券&グッズ販売に汗を流す座長

 

・私(嵐山瞳太郎)は座長のタイプには二とおりあると思っていて、小泉たつみさんのように自らが周りを照らすスター性のある太陽のような座長とお客様の光で照らされて輝く月のような座長があって、私は月の座長と思っていますと。

 

こんなことを言われると押さずにいられなくなる。こんな謙虚な座長にますます引き込まれるファンは多い。

 

歌と踊りのグランドショー

 

☆ ラストショー

・新作特別舞踊「御利益」

 

・映画『憑神』のテーマ曲(米米CLUB) 御利益をラスト舞踊として構成

 

・手作りの小道具で迫力ある舞踊を展開、素晴らしかった。

 

 

【画像】

 

火傷するほど熱い芝居への思いが滾る座長である・紀州屋良五郎

 

 

参考

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

『死神』は古典落語の演目の一つ。 幕末期から明治期にかけて活躍して多数の落語を創作した初代三遊亭圓朝グリム童話の第2版に収載された『死神の名付け親』を翻案したものである。

 

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 

☆ 落語『死神』のあらすじ

 

あるところに、借金まみれの男がいました。彼は返済のために新たに金を借りようとしましたが、どこからも借りることができません。そんな姿を見た男の妻は、あんたなんか死んでしまえというひどい言い草ぶり。

 

悲惨な状況から本当に死んでしまおうと決めた男は、首を吊ろうとします。するとそこに、死神が現れました。はじめは「お前のせいでこんなことになった」と怒る男ですが、死神は男に金儲けの方法を教えると言います。

 

その方法とは、医者になることでした。この世で病を患っている人には死神がついており、それが枕元にいれば助かることはない、しかし足元にいれば呪文で死神を追い払い、病気から回復させることができるというのです。これを利用して病人を治せば金が稼げると言いました。

 

その呪文を聞いた男は、さっそく医者としての活動を始めます。そんなある日大富豪がやってきて、病を治してくれと言いました。幸いにも死神は大富豪の足元にいたので、男は呪文を唱えます。すると死神の姿は消え、大富豪の病気も治りました。

 

この一件が知れ渡り、男は名医として担ぎ上げられます。借金だらけの状態から一財産を築くほどになり、生活は一変しました。しかし妻を捨て新しい女とぜいたくをしたせいで、すぐに資金が底を尽きてしまいます。

 

しかたなく再び医者として活動を始めましたが、残念なことにやってくる患者は死神が枕元にいるばかりで、男は病を治せません。そのうちヤブ医者と呼ばれはじめ、信用がなくなっていってしまいます。そんなある日、豪商の家に呼ばれ「病を治せば大金を支払う」と申し出がありました。

 

男が見ると病人の枕元に死神が立っており、このままでは呪文は効きません。そこで彼は布団のまわりに男たちを並べ、死神が眠そうにしている隙に布団を180度回してしまいました。そして足元が死神の横にきた瞬間に呪文を唱え、豪商の病は全快します。

 

怒った死神は、男を地下の世界へと連れて行きました。そこには色々なろうそくが並べられており、それぞれ炎が灯っています。これは何かと男が尋ねると、死神は人間の寿命だと答えました。そしてとりわけ短いろうそくを見せ、それが男のものだと告げます。

 

豪商の一件で騙された死神は、もともとの男の寿命と、豪商の寿命を取り換えてしまったのです。焦って寿命の引き延ばしを懇願する男に、死神は別のろうそくを差し出し、火を移すことができれば新しい寿命が与えられると言いました。

 

男は今にも消えそうな自分の寿命のろうそくを持ち、火を移し替えようとします。しかし焦ってなかなか上手くいきません。その様子を見ている死神は「早くしないと、炎が消えて死ぬよ」と言います。

 

この落語のあらすじは本日の舞台とは異なります