紀州屋良五郎の大衆演劇・上方芸能 通信

大衆演劇については全国の劇場や公演場所に出かけ、その地での公演の所感・演出効果・劇団の印象を綴ります。さらに大道芸や上方落語、講談、音頭、漫才、見世物、大道芸、放浪芸、映画評についても思いつくままに書き留めてまいります。 末永くのおつきあいをよろしくお願いいたします。

▩ 花柳願竜劇団 堺東羅い舞座 2023/02/03

☆ 見てもろておおきに〜まいどおなじみの観劇メモでおます

 

★ 堺東羅い舞座は初乗り

 

★節分にちなみ、劇団からのプレゼントあり。

☆ 公演演目など

 

【花柳願竜劇団スケジュール】

03 蓬莱座

04 オーエス劇場  劇団結成50周年

 

【堺東羅い舞座スケジュール】

03 劇団あやめ

 

メンバー

座長  花柳願竜

若座長  花柳竜乃

花形  二代目 香賀峰子

花柳さつき

若頭 あつし

蓮志

みずき

ほか

 

☆ 顔見せミニショー

・オールメンバーで「九州祭り歌」から

・若座長 焼酎の唄

・尽くさんかい

 

特選狂言「金の響き」

<配役>

 

主演・座長…侍 佐々木金吾

花柳竜乃‥女中頭

香賀峰子‥金吾の妹・しず

 

花柳さつき‥上州屋女主人

あつし‥上州屋の若旦那 

蓮志‥旅人

みずき…女中

ほか

 

〈あらすじ〉

 

貧乏な侍、佐々木金吾は妹しずとひっそりと暮らしていた。

あるとき、傷ついた江戸・小物問屋の若旦那を助け家で介抱をしていた。

甲斐甲斐しく世話をする妹のしずを見染め、添わせてほしいと兄に願い出る。

身分が違うと固持する兄、ところが妹しずの気持ちはまんざらでもない。

 

妹を幸せにしてやりたいが持参金すらない貧乏暮らし、ひょこっと尋ねてきた見知りの旅人。

大枚百両の金を届けに行くと聞き、見送りに出たが心に魔がさしたのか銃を手に旅人を殺め金を奪う。

 

やがて、この若旦那、江戸へ戻る時が日がやって来た。

ついては、頼みたいことがあると兄が云う。

 

どんな事があっても妹を捨てるような事は許しはしない。どうか添い遂げてくれと懇願し若旦那は快諾する。たとえ、がんこな母親であっても説得してみせましょうと誓う。

 

兄は困った時にと妹にあの金を持参金としてもたせ送り出す。

やっと、良縁に恵まれたと安堵の思いをなす兄であった。

 

時は流れる…

 

場面は、江戸は上州屋の店先。

 

若旦那は毎日日にち、芸者遊びに余念がない許りか店の女中頭の妹にも心を移すぐらいの女好き。

ほとほと手を焼く女房となったしずであった。

 

しかし、しずを取り巻く女中ばかりか大奥様も何かにつけて

やれ躾がなっていない、貧乏人の育ちはこの商家には向かないとなじるばかり。

 

いじめ抜かれ、いまでは身体を壊し病身となっていた。そこへ悪巧みを練っていたのは女中頭。

大奥様と語らい、若旦那は女中頭の妹に心を寄せているどうか一緒にさせてやってはくれないかと持ちかける。しずを快く思わない大奥様はその妹にのれん分けを約束する。

 

数々のいたたまれない嫁いびりが容赦なく繰り広げられる。

 

そんな、折り、妹しずの行く末を案じた兄・佐々木金吾が店に尋ねてくる。

しずが偽ろうともすぐに事態を察知した兄、可愛い妹になんという仕打ちと刃を向けるも

身体を張って夫と大奥様をかばう妹しず、思いとどまる兄。

 

見せ場だ。

 

兄を思い、義母を思い、夫をかばうその心根に心底打たれた大奥様と若旦那。

夢から覚めたと大改心。

 

頭を垂れてわびるのであった。

 

♬ 「人生の並木道」の曲流れ  感動の中  幕となる

 

 

芝居を見せる工夫に力点を置く花柳劇団は素晴らしい。

 

 

*毎回、演出にひねりを加えて、見応えある芝居を魅せる花柳劇団に拍手を送ろう。

 

舞台口上   花柳竜乃若座長・ほかメンバー

 

 

 

*お芋「芋むすめ」(400円・みねこが選定)が大好評 いや~うまかったね 

 

めったに食べないおっさんが言うんだから間違いない!

バレンタインにはチョコより「芋むすめ」。

 

*多彩なプログラムでお待ちしています。

 

*以下、演目

 

舞踊ショー  

 

・ラストショー  三人吉三

 

節分と三人吉三

本日は各所で節分に因む狂言・「三人吉三」が上演されている。たつみ演劇BOXでも

 

歌舞伎「三人吉三

 

吉三「・・・ん?なんだ?百両!?」

吉三「思いがけねえこの百両 月も朧に白魚の篝も霞む春の空」

遠くの声「おん厄払いましょう。

厄おとし」吉三「ほんに今夜は節分か 豆だくさんに一文の 銭と違って金包み

 こいつぁ春から縁起がいいわえ」

 

【画像・ラストショー  三人吉三」】

 

【画像2】

 

 

いったい、どれくらい芝居の演目があるのだろうかこの劇団。幾たび見ても次々と新しい芝居を架ける。底知れない、まるで芝居の宝物館のようだ・紀州屋良五郎