〇 見てもろておおきに〜まいどおなじみの観劇メモでおます
☆座長 黒潮幸次郎 座長・沢村菊乃助がゲスト
☆鈴成り座スケジュール
10月 澤村慎太郎劇団
11月 劇団昴星
☆メンバー
総座長 浅井春道
座長 浅井海斗
花形 浅井大空海
浅井みのり
浅井ひかり
浅井陽子
浅井まり
加茂川竜子
責任者 浅井正二郎
ゲスト・沢村菊乃助 黒潮幸次郎
☆顔見せミニショー
桜小町がラスト
▩
一幕五景
浅井大空海‥居酒屋店主
浅井ひかり‥店の客、侍なりすまし
浅井海斗‥堀部安兵衛
浅井春道‥荒川十太夫
浅井みのり‥店の客
浅井陽子‥杉田の家来
黒潮幸次郎‥杉田五左衛門
ほか
☆あらすじ☆ (ネタバレ注意)
原題は講談、のち歌舞伎でも、上演。神田松鯉が得意とし、のち神田伯山も演じた。
忠臣蔵の話は全部で約300あるともいわれ、それぞれの「別れ」が人の心を打つといわれる。
この、芝居は杉田五左衛門から荒川十太夫が介錯の大役を命じられるところから始まる。
堀部安兵衛が切腹。その介錯を荒川十太夫が務める。役名を聞かれるも偽って「物頭役」と応える。
浪士切腹から七年の歳月が流れた。
下級武士に似合わしくない姿でやってきたのは、伊予松平家の徒士侍、荒川十太夫。
偶然、居合わせた松平家目付役の杉田五左衛門は、不自然な出で立ちの荒川十太夫を見つけ、武士が身分を偽ることは大罪であると沙汰を待つよう申し渡される。
後刻、取り調べの場で松平隠岐守より身分を偽った理由を問われた十太夫は、赤穂義士の一人、堀部安兵衛の介錯をつとめた日のことを語り始める‥
討入りを果たした赤穂義士、堀部安兵衛の切腹の際に介錯をつとめた荒川十太夫の苦悩と覚悟にまつわる秘話を語りはじめる。
講談の名作を大衆演劇の新作として舞台化した芝居。
十太夫が取り調べの場で述懐する、堀部安兵衛の介錯をつとめた逸話となぜ、偽りの言葉を言ったのか。その訳が、この芝居のツボである。
非常にわかりやすい演出で芝居は展開する。
その後の展開は、名君による人情に溢れた結末となる。荒川十太夫は、百日の謹慎ののち、その武士道を愛でられ「物頭役」に取立てられた。
ひとり、堀部安兵衛に参り、語りかける酒を献じるラストの場。現れた住職がぽつりと語る。
「だまされて 心地よく咲く 室の梅」余韻のあるラストの演出だ。
美しい梅の花が咲いていると思ったらじつは部屋の中に飾ってあった偽物だった。
だまされた‥でも、その梅の花を見て心癒されたことは間違いない。
それにしても、なぜ赤穂浪士・義士ものがいまになっても演じ続けられるのか‥
やはり、神田伯山の云う「人の別れの物語」が詰まった作品群だからとう説は共感だ。
別れと涙、じつに大衆演劇のテーマそのものだ。
実に余韻のある芝居だ。生き生きと持ち役を演じる浅井グループメンバーが煌めいて見えた。
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☆口上挨拶 座長 浅井海斗
・本日の芝居は「龍美麗座長」に立てて戴いた新作ですと紹介。
☆舞踊ショー
・工夫こらした飽きさせないショー構成
・ラスト舞踊‥赤穂浪士
・前半は三波春夫の歌謡浪曲にのせ、エンディグはダンシング忠臣蔵。
芝居仕立の見応え充分のショー
【画像】
基本を通す芝居、力量増した役者陣、成長と発展を続ける浅井&蓬春座・紀州屋良五郎
かつて研二郎時代に、福岡・田川まで行って応援した劇団だ。