〇 見てもろておおきに〜まいどおなじみの観劇メモでおます。此花演劇館は大阪初乗り公演・劇団神楽が大沸騰、本日W大入り。千穐楽まであと少し❗
〇 長く舞台をみてきたが、これだけ每回の舞台で観客を魅了し続けた劇団はまれだ。絶賛したい。
《劇団神楽スケジュール》
12月 あじさい劇場 (緞帳降ろし閉幕公演)ほか
★次の関西は 2024年6月 大阪単独一ヶ月公演 Mスタジオ ぜひ
★ 此花演劇館 スケジュール
12月 劇団澤宗
2024年
1月 劇団澤宗
☆メンバー
座長・神野泰志
副座長・雅舞子
神野勇人
神野遙香
★ゲスト
劇団寿
寿翔聖 寿美空
☆芝居 「かげろう笠」
*原作は映画がベース、劇団の先代が書いた作品を若手中心に演じる。
*芝居は、身分違いの恋がテーマの人情喜劇
*22才の寿美空若座長、19才の神野遙香、17才の神野勇人が個性豊かに演じる。勇人が演じる老け役には随所に落語で磨いたマと笑いのタネが光っている。
若手競演の名舞台に満足。
大衆演劇の未来が明るいと思わせる芝居をみた思いがした。
▩ 配役
座長・神野泰志‥幻庵先生の門下
寿翔聖‥尾張大納言56万石の下臣 侍 佐々木大助
副座長・雅舞子‥老母うめ
神野遙香‥盲目の娘 鶴姫
神野勇人‥鉄蔵の老父 幸兵衛
寿美空‥博打打ちの鉄蔵
ほか
☆あらすじ☆ ネタバレ御免
汚い身なりの盲目の娘を老婆うめが鉄蔵の家に連れてくるところからはじまる。
この子はなにやら箱根の山中で盗賊に襲われ天神の山中で消息を絶った娘だった。
だが、この娘、身なりだけではなく、何やら言葉遣いも変である。
「皆も大義であった」とか云うのである。
身分が違う物言いに鉄蔵も老父の幸兵衛もしばしば、顔を見合わせ、ぶったまげる。
この娘あまりにも汚く、老婆うめの手を借りて風呂に入れてやる。
かると身奇麗になり、着替えた姿は、見まがうほど美しい。
何とかこの娘の盲を治してやりたいと思っていた矢先、見知りの男が訪ねてきて、幻庵先生にかかった患者が全快したと告げる。この男、眼病の名医幻庵先生の門下であった。
ところが、幻庵先生に見て貰うだけでも大枚のカネが要ると言われて思案に暮れる老父と鉄蔵。
賭博師の鉄蔵は娘を案じて何とか救いの手をと思うのだが、元より極道もの、思いついたのは博打でカネを稼ぐことだった。だが、賭博で稼いだカネはあぶく銭と止められた。
幸兵衛は立ち直らせるいい機会と思いたち、病を治してやりたいと思うなら「キレイなカネでねぇとならねぇ」と堅気の仕事に就け、儲けのいい沖仲仕になれと勧める。鉄蔵は一心に働き5両のカネを工面し、娘の盲を幻庵先生にみせて治してやる。
そこへ、訪ねてきたのが尾張64万石の侍、下臣で大助という者。山中で災難に遭い失踪した鶴姫様がここで世話になっていると聞きつけてやって来た。
世話になった御礼にと1000両の褒美を受け取ってもらいたいと告げられた。驚喜する鉄蔵の老父。だが、娘を治してやりたいと、願って身を粉にして堅気となり金策をした鉄蔵の心は乱れた。
ついに別れの時が来た。鶴姫は土下座せんばかりに両手をつき老父幸兵衛と鉄蔵に礼を云う。
だが、その場には鉄蔵の姿はない。老父に止められ断腸の思いで踏みとどまる鉄蔵。
老父は鉄蔵が貯めた五両を姫に差し出す。これを鉄蔵と思ってやってくれと…
すっかり茶漬けと目刺しにたっぷり馴染んだ姫「メチャメチャうれしいやんけ~」と*1。
いつしか、鶴姫に恋心を寄せている鉄蔵。別れの時が来てもそっと影で娘の行く末、幸せを願うばかり。
それも、これも身分の違いがそうさせたのか‥そうだ、姫の立場を思いあえて告げず陰で見つめる。姫のお陰で堅気になれたんだ
蜻蛉のようにあらわれて蜻蛉のように去って行った 俺は生涯忘れない。
そうだ…蜻蛉の恋を抱いて生きていくんだ…幕
ホロリとさせるいい芝居だった。
〇芝居では姫の告白はないが…この熱き恋心は永遠に互いの胸に焼きついたに違いない。
〇老け役(所作・口跡)が決まる17才は大衆演劇界には滅多にいない。
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☆口上挨拶 座長・神野泰志
・あすの演目紹介、明日も劇団寿(寿翔聖座長・美空若座長)がゲスト出演。
・明日の芝居は「泣くな妹」
☆舞踊ショー
・Adoの曲
・ラスト 寿翔聖座長の変面ショーなど
【画像】
初めは苦戦の初乗り劇団神楽、大阪の大衆演劇ファンの気持ちをがっちりと掴み千穐楽には大輪の花咲かすだろう・紀州屋良五郎
*1:^_^