紀州屋良五郎の大衆演劇・上方芸能 通信

大衆演劇については全国の劇場や公演場所に出かけ、その地での公演の所感・演出効果・劇団の印象を綴ります。さらに大道芸や上方落語、講談、音頭、漫才、見世物、大道芸、放浪芸、映画評についても思いつくままに書き留めてまいります。 末永くのおつきあいをよろしくお願いいたします。

▩ 舞台の三番叟に私の思うこと

〇 震災救援渦中に三番叟を舞台で上演することについていろいろご意見があったので整理しておきたい。

 

『三番叟』は古来から五穀豊穣、無病息災を祈念し献じられた門付け芸である。現在、歌舞伎や文楽、地域の祝祭で広く演じられている。

 

演じるにつき様々に対応が分かれたように聞く。

大半は新春を寿ぐ慣例にならい通常通り行われた。

 

ある劇団では『三番叟』の意義を話し演じられ、また、ある劇団ではこのたびは上演を控えられた。

 

過去の震災後の実施事例に鑑みて救援活動が落ち着き、すべてが復興に向けての時節であったことから考えるとこのたびは元日の大災であり救援・救命活動直下の段階であることから判断の基準は『タイミング、時節』が大切であるというのが私の考えだ。

 

その点で都若丸劇団がとられた対応が私の信条に一番近かったと思う。

 

いずれにせよ、一番大切なことは被災者、被災地に思いを馳せることであり『やるやらない』の是非は様々であっても大きな問題ではないというのが結論だ。