紀州屋良五郎の大衆演劇・上方芸能 通信

大衆演劇については全国の劇場や公演場所に出かけ、その地での公演の所感・演出効果・劇団の印象を綴ります。さらに大道芸や上方落語、講談、音頭、漫才、見世物、大道芸、放浪芸、映画評についても思いつくままに書き留めてまいります。 末永くのおつきあいをよろしくお願いいたします。

▩ 映画『パラサイト 半地下の家族』(第72回カンヌ国際映画祭・最高賞)を見た

映画『パラサイト 半地下の家族』(第72回カンヌ国際映画祭・最高賞、韓国映画)を見た。

はじめはコメディ、そしてやがてサスペンス。ハラハラドキドキが止まらない。2時間をこれほど短いと感じさせる映画を私は知らない。 家政婦がいて、パーティができる広い庭、地下に核シェルターまである邸宅に住む家族。一方、ゴキブリが飛び交い、浸水する半地下で暮らす家族。生きるため巧みに上級家族に雇われ乗っ取ろうとする痛快さ。 ネタバレ警告があるぐらいの人気作品だ。このブログをご覧くださっているかたには、ぜひ見て欲しい。とくにクライマックスのスペクタクルは息つく暇も与えない。 格差国家・韓国は、やがては日本の未来なのだ。後半から‥二つの家族におもわぬ結末が‥‥滲む格差の現実を生活に寄り添うように丁寧に描く。

「お金はしわを延ばすアイロンなのよ」の言葉が象徴的だ。半地下の生活の「臭い」が身に迫る。 それでいて随所におもしろいドラマが溢れ娯楽性もたっぷり。さすが、カンヌ最高賞の作品だ。10000点満点の出来栄えだ。
いろんな切り込みかたがふんだん描かれているのだが決して暗くない。ヘタな芝居よりずっとおもしろい、おすすめだ。

 

 

 

 STORY

半地下住宅に住むキム一家は全員失業中で、日々の暮らしに困窮していた。ある日、たまたま長男のギウ(チェ・ウシク)が家庭教師の面接のため、IT企業のCEOを務めるパク氏の豪邸を訪ね、兄に続いて妹のギジョン(パク・ソダム)もその家に足を踏み入れる。

キャスト

ソン・ガンホ、イ・ソンギュン、チョ・ヨジョン、チェ・ウシク、パク・ソダム、イ・ジョンウン、チャン・ヘジン、パク・ソジュン、チョン・ジソ、チョン・ヒョンジュン

スタッフ

監督・脚本:ポン・ジュノ
脚本:ハン・ジヌォン
製作者:クァク・シネ、ムン・ヤングォン
プロデューサー:チャン・ヨンファン
撮影:ホン・ギョンピョ
プロダクションデザイナー:イ・ハジュン
衣装:チェ・セヨン
ヘア&メイク:キム・ソヨン
音楽:チョン・ジェイル
編集:ヤン・ジンモ

上映時間132分 映画は人生の学校だ・紀州屋良五郎