紀州屋良五郎の大衆演劇・上方芸能 通信

大衆演劇については全国の劇場や公演場所に出かけ、その地での公演の所感・演出効果・劇団の印象を綴ります。さらに大道芸や上方落語、講談、音頭、漫才、見世物、大道芸、放浪芸、映画評についても思いつくままに書き留めてまいります。 末永くのおつきあいをよろしくお願いいたします。

▩ 悲しい人情芝居は劇団の真骨頂 劇団春駒 梅南座 2021/02/19

 まいどおおきに〜観劇メモでおます

 劇団春駒は演友会に所属している

 劇団春駒には芝居を鍛えあげた二人の座長と花形がいる

 

メンバー

総座長  春駒

座長 二代目美波大吉

座長  美波遙

花形  美波天

美波志穂

白磨風雅

美花

イカ

 

南座の公演予定

3  劇団九州男

4  劇団九州男

5  劇団輝

 

劇団春駒の公演先

3  香川県・仏生山

  

 

芝居「恋女房」

 

キャスト

茶店&家老の父‥総座長春

魚屋源太の女房おこい‥二代目大吉座長

家老・伝十郎‥美波天

魚屋源太‥遙座長

家老伝十郎の妹小百合‥美波志穂

板東爪楊枝‥白磨風雅

 

 

〈あらすじ〉

・娘を助けてくれた魚屋源太を探している。ということで、見知りの茶店主に家老伝十郎が妹との縁談をまとめてくれと頼む。成功すれば金と侍の待遇を与えるという褒美がある。

 

・ところが、魚屋源太には女房がいる。ためらう源太。企みを見抜く源太。理由を話して家老は一旦ひくが妹小百合は命がけ、そこに割って出たのが家来。

 

・板東爪楊枝のいざこざに割って入り女を助ける。その女こそ魚屋源太の女房おこいだった。

 

この機を何とかせんと魚屋源太に無理難題の願いをするも、なんとも首を振らない源太。

死んだ方がましと言い切り命をはる。

 

侍の額を下駄を落としてキズつけた結末をどうつけると迫る。

 

落とし前は女房おこいの首を侍屋敷に持ってこいとの難題。

 

源太潔よく惚れた女房の首を持って来ると約す。

・魚屋にし置くのはもったいないと呟く家老。

 

・家へ飲んで帰った魚屋源太は下駄の一件から離縁を言い渡す。訳を聞かれて好きな女が出来たから離縁すると言い張り手を上げるも見抜く女房。

 

このぐらいにしないとネタばれになるのだが‥

 

・頭に血がのぼった為に、首をはねて持っていくと言ってしまった。許してくれと詫びるも、亭主の男の意地を通す為キッバリ首を捧げると女房が言い切る。侍との命がけの勝負を決めた。泣きながら愛する女房の首をはねようとするが切れない魚屋源太。

 

泣けてくる ええ芝居しよる劇団春駒。

見せ場をきっちりつくり客席を引きつける

見事だ。

 

長町場に及ぶ芝居は真剣勝負、手抜きなし。

 

・魚屋源太は屋敷に白装束で恋女房の首を持参する。

びっくりし、詫びて腹を切るという家老。

 

うなだれる家老・息子・娘。

切々と侍天下の世を魚屋、町人の想いのたけを叫ぶ魚屋源太。

 

旧い形といわれても私はこんな芝居を待っていた。

 

泣きながら首を受け取る魚屋源太。

首に語りかけ男の意地を通した礼を述べ後、愛した女房の跡追いを誓う。

 

私の見たまま

 

滅多に見れない芝居だ。身分の違いと理不尽。

その中で、筋をとおす生き方。意地に生きる魚屋の度肝が座った性根と純情一途なかわいい女房を兄弟座長が熱演する。

 

身分の違いがあるとも意地で侍に立ち向かう町人魂が熱い。

舞台に戯れ言なしの真剣勝負の芝居だ。

 

胸が熱くなる芝居だ。芝居の世界に引き込まれたい人だけに見て欲しい劇団だ。

それにしても、男なら是の芝居のような女房を持ちたいもんだ。

 

 

 大吉座長口上挨拶

 

・ほのぼのした人情味トーク

 

☆ 千穐楽26

 

● 舞踊ショー  

 

ラストショー   地上の星

 

【画像】

若手両座長と花形が浪花の舞台に勝負をかける・紀州屋良五郎