紀州屋良五郎の大衆演劇・上方芸能 通信

大衆演劇については全国の劇場や公演場所に出かけ、その地での公演の所感・演出効果・劇団の印象を綴ります。さらに大道芸や上方落語、講談、音頭、漫才、見世物、大道芸、放浪芸、映画評についても思いつくままに書き留めてまいります。 末永くのおつきあいをよろしくお願いいたします。

▩ 新川劇団+松井悠 「化け猫」 木川劇場 2022/10/11

☆ 見てもろておおきに〜まいどおなじみの観劇メモでおます。

☆ 本日はロング公演、明日は休演日

なんと22日も松井悠座長が新作「化け猫」をやるらしい。

大入り満員   暑かったらクーラーかけますよとママの声、熱気が満ちる満席の公演である。

完全なコロナ終結宣言やな。場内満員御礼、お花も満杯ラッシュ。

 

  • マンスリーゲスト出演

・劇団悠  座長  松井悠

 

★11月の木川劇場

花柳願竜劇団 

☆ 6年ぶりに観る松井悠座長の「化け猫」。前回も同じく劇団悠。この劇場で見た。

 

ここ、木川劇場は以前、ストリップ小屋であった時期があり、吊りものなどできる設備は立体的でいろんなことができそうだ。ストリップ時代には逆さ吊りのSMショーなど見た記憶が蘇る。

 

▼天井に注目 ミラーボールと吊りバトンはここだけの構造 ロープも張れる宙乗りはどうかな

★★

 

☆ 座長 新川博  

座長  新川笑也

リーダー  新川博

今月は松井悠座長が特別参加

 

顔みせミニショー

 

 ☆特選狂言「化け猫」

 

<あらすじ>

 

下層身分のすず(松井悠座長)は、殿(新川博也座長)から寵愛を受けているが世継を産めない身体であった。

 

その弱みにつけ込む、家臣の半三(新川笑也座長)は妹・萩江を側室にさせたいと謀る。

 

「お兄様!どうして殿はあんな女の所ばかりに行かれるのか、わたしは悔しい」

 

「萩江、必ずお前を殿の奥方にしてやるから、そうすれば、殿はわしの思うがまま」

 

兄妹は密談。半三の手には、劇薬があった。

それをよく効く薬と偽り、すずに。飲ませる。

 

何も知らないすずは、半三の薬を飲む。

「ああ、なんて苦い」

 

体は本能的に劇薬を嫌がり、思わず顔を背けてしまう。

 

せき込みながら、すずは必死に薬を飲む。

悠座長の可憐さと儚さの演技が冴える。

 

薬は少しずつ、すずの体を蝕む。

美しかった姿が次第に無慚な姿にと変わり、殿の愛情も薄れていった。

 

久々に殿がすずの部屋を訪れたと思いきや。

 

「お前は、しばらく川越の別宅で過ごしたらどうかと思うのだがどうだ」

川越といえば人里離れた辺境の地。

 

静養のためとはいつわり実は厄介払いのためとすずは悟る。すずは弱った体で、必死に泣いて抵抗する。

「寂しい所へなぜ、行かねばならないのですか、嫌です!すずはお殿様の傍にいます!」

 

ついに半三に猛毒を飲まされて、すずはのたうち回る。苦悶する壮絶な場面。

 

いよいよ、復讐の場面が始まる。

 

すべての企みは半三と萩江だったことを知ってしまったすず。

 

虚ろな目でゆらりと立ち上がり、飼っていた猫の名を呼ぶ。

 

 なんと、生猫が登場。猫が間合いをわきまえず鳴くのはご愛嬌。

 

 

殿の家臣半佐に自らの生き血を猫に吸わせ復讐を誓う。

彼女が復讐するのは、自分を最後には捨てた殿と、毒を盛った家臣。

 

すずの死後殿の側室に上がるその家臣の妹萩枝。

 

劇団悠の化け猫はどうやら佐賀怪猫伝が源になっているようだ。

 

燈籠抜け、松井悠大健闘!

 

過去、最高峰と位置づける伝説の怪優・四つ綱の澤村源之丞(故人、浅草木馬館で逝去)だけは超えられないだろう。

 

たまよ、嬉しい時も悲しい時も、いつも一緒にいたお前」

「この身に代わって、お前が生き替わり、死に替わり」

「わらわの恨み、晴らしておくれ‥」

 

「化け猫」ものがそうであるように、ケレンたっぷり。本物の猫が抱かれて出演。

これは、たまげた演出だ。可愛く鳴く。!!

 

 

「燈籠抜け」では座長が燈籠の中を飛んでくぐる。

この瞬速ワザは圧巻である。

 

「戸板」「梯子」等、多様なケレンを魅せてくれた。

 

人を恨むのがどんなに苦しいことかを知った

愛する人の手にかかりたいと(すずの呟き)このセリフがエンディングのキモ。

 

この芝居は劇団により手法はことなる。

情念でぐいぐい引きつける春陽座など澤村系の劇団と対比したら松井悠座長はスリリングでまるで劇画的な劇風だ。わたしはどちらも高く評価する。

 

 

遺憾なく悠座長のパワーを見せつけてくれた。

 

 

★ 芝居の見どころ・私はこう見た

 

・本物のねこ登場

一心太助もでる

・コミカルな所作で笑いも

・影絵を巧みにつかう

・燈籠抜け  

・血糊たっぷりの芝居

伊賀忍者になる要件は体重が軽いこと。素早い動きは目を見張る

・戸板返し

・梯子を使った所作

・たまの怨霊とすず    

 

 

★ 口上挨拶   新川笑也 座長

22日の悠まつり・松井悠座長による新作の「化け猫」をやります。

★ 舞踊ショーの見どころ

 

・凝った企画は楽しませるのに十分だ。

・開幕が松井悠座長による落語『寿限無

・芸名 天狗連役車   出囃子「野崎」

師匠・金原亭世之介  東洋館にも落語家として出演。大阪ではトリイホールでも独演会を行った。

 

新川博也による、芝居仕立のショー「吊り忍」

・松井悠による、殺陣の絡んだ「黒い花びら」

・新川笑也による、「おさん茂平」

・コント

新川博之による「舟唄」

・歌唱、峰そのえ「未練酒」

・松井悠、中島みゆきの「ファイト!」から着付けショー

・創作組ショー「渋谷の猫」からラストへ

 

 ラストショー  開運招き猫音頭

ぎっしり盛り込んだ充実した舞台で魅了

 

特選画像

 

2022/10/17

▩ 新川劇団+松井悠 「化け猫」 木川劇場 2022/10/11

☆ 見てもろておおきに〜まいどおなじみの観劇メモでおます。

☆ 本日はロング公演、明日は休演日

なんと22日も松井悠座長が新作「化け猫」をやるらしい。

 

しまった 絵がちがった

 

大入り満員   暑かったらクーラーかけますよとママの声、熱気が満ちる満席の公演である。

完全なコロナ終結宣言やな。場内満員御礼、お花も満杯ラッシュ。

 

マンスリーゲスト出演

・劇団悠  座長  松井悠

 

★11月の木川劇場

花柳願竜劇団 

 

☆ 6年ぶりに観る松井悠座長の「化け猫」。前回も同じく劇団悠。この劇場で見た。

 

ここ、木川劇場は以前、ストリップ小屋であった時期があり、吊りものなどできる設備は立体的でいろんなことができそうだ。ストリップ時代には逆さ吊りのSMショーなど見た記憶が蘇る。

 

▼天井に注目 ミラーボールと吊りバトンはここだけの構造 ロープも張れる宙乗りはどうかな

 

★★

 

☆ 座長 新川博  

座長  新川笑也

リーダー  新川博

今月は松井悠座長が特別参加

 

顔みせミニショー

 

 ☆特選狂言「化け猫」

 

<あらすじ>

 

下層身分のすず(松井悠座長)は、殿(新川博也座長)から寵愛を受けているが世継を産めない身体であった。

 

その弱みにつけ込む、家臣の半三(新川笑也座長)は妹・萩江を側室にさせたいと謀る。

 

「お兄様!どうして殿はあんな女の所ばかりに行かれるのか、わたしは悔しい」

 

「萩江、必ずお前を殿の奥方にしてやるから、そうすれば、殿はわしの思うがまま」

 

兄妹は密談。半三の手には、劇薬があった。

それをよく効く薬と偽り、すずに。飲ませる。

 

何も知らないすずは、半三の薬を飲む。

「ああ、なんて苦い」

 

体は本能的に劇薬を嫌がり、思わず顔を背けてしまう。

 

せき込みながら、すずは必死に薬を飲む。

悠座長の可憐さと儚さの演技が冴える。

 

薬は少しずつ、すずの体を蝕む。

美しかった姿が次第に無慚な姿にと変わり、殿の愛情も薄れていった。

 

久々に殿がすずの部屋を訪れたと思いきや。

 

「お前は、しばらく川越の別宅で過ごしたらどうかと思うのだがどうだ」

川越といえば人里離れた辺境の地。

 

静養のためとはいつわり実は厄介払いのためとすずは悟る。すずは弱った体で、必死に泣いて抵抗する。

「寂しい所へなぜ、行かねばならないのですか、嫌です!すずはお殿様の傍にいます!」

 

ついに半三に猛毒を飲まされて、すずはのたうち回る。苦悶する壮絶な場面。

 

いよいよ、復讐の場面が始まる。

 

すべての企みは半三と萩江だったことを知ってしまったすず。

 

虚ろな目でゆらりと立ち上がり、飼っていた猫の名を呼ぶ。

 

 なんと、生猫が登場。猫が間合いをわきまえず鳴くのはご愛嬌。

 

 

殿の家臣半佐に自らの生き血を猫に吸わせ復讐を誓う。

彼女が復讐するのは、自分を最後には捨てた殿と、毒を盛った家臣。

 

すずの死後殿の側室に上がるその家臣の妹萩枝。

 

劇団悠の化け猫はどうやら佐賀怪猫伝が源になっているようだ。

 

燈籠抜け、松井悠大健闘!

 

過去、最高峰と位置づける伝説の怪優・四つ綱の澤村源之丞(故人、浅草木馬館で逝去)だけは超えられないだろう。

 

たまよ、嬉しい時も悲しい時も、いつも一緒にいたお前」

「この身に代わって、お前が生き替わり、死に替わり」

「わらわの恨み、晴らしておくれ‥」

 

「化け猫」ものがそうであるように、ケレンたっぷり。本物の猫が抱かれて出演。

これは、たまげた演出だ。可愛く鳴く。!!

 

 

「燈籠抜け」では座長が燈籠の中を飛んでくぐる。

この瞬速ワザは圧巻である。

 

「戸板」「梯子」等、多様なケレンを魅せてくれた。

 

人を恨むのがどんなに苦しいことかを知った

愛する人の手にかかりたいと(すずの呟き)このセリフがエンディングのキモ。

 

この芝居は劇団により手法はことなる。

情念でぐいぐい引きつける春陽座など澤村系の劇団と対比したら松井悠座長はスリリングでまるで劇画的な劇風だ。わたしはどちらも高く評価する。

 

 

遺憾なく悠座長のパワーを見せつけてくれた。

 

 

★ 芝居の見どころ・私はこう見た

 

・本物のねこ登場

一心太助もでる

・コミカルな所作で笑いも

・影絵を巧みにつかう

・燈籠抜け  

・血糊たっぷりの芝居

伊賀忍者になる要件は体重が軽いこと。素早い動きは目を見張る

・戸板返し

・梯子を使った所作

・たまの怨霊とすず    

 

 

★ 口上挨拶   新川笑也 座長

22日の悠まつり・松井悠座長による新作の「化け猫」をやります。

 

★ 舞踊ショーの見どころ

 

・凝った企画は楽しませるのに十分だ。

・開幕が松井悠座長による落語『寿限無

・芸名 天狗連役車   出囃子「野崎」

師匠・金原亭世之介  東洋館にも落語家として出演。大阪ではトリイホールでも独演会を行った。

 

新川博也による、芝居仕立のショー「吊り忍」

・松井悠による、殺陣の絡んだ「黒い花びら」

・新川笑也による、「おさん茂平」

・コント

新川博之による「舟唄」

・歌唱、峰そのえ「未練酒」

・松井悠、中島みゆきの「ファイト!」から着付けショー

・創作組ショー「渋谷の猫」からラストへ

 

 ラストショー  開運招き猫音頭

ぎっしり盛り込んだ充実した舞台で魅了

 

特選画像

 

まとめの一言

大阪松竹座では日本怪談歌舞伎「貞子」「皿屋敷」、木川劇場は「化け猫」いい勝負する大衆演劇紀州屋良五郎

 

同時刻に梅田呉服座では飛翔座・恋瀬川翔炎座長による「化け猫」が‥今日は怪談Dayかいな

 

終演は16時すぎ    大入りファイブ

 

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

☆ 松井悠座長は天狗連役車という名をもつ落語家でもある。

 

座長 新川博  

座長  新川笑也

リーダー  新川博

昌史

天道新太郎

峰そのえ

小峰ゆかり

峰川あいか

小峰妃奈乃

川乃洋二郎

大津弥生

 

【参考メモ】

 

日本三大化け猫とは鍋島、岡崎、有馬 

化け猫を英語に訳すとmonster cat

梅田呉服座の飛翔座  化け猫   命綱を張ったのかな?

かつて、朝日劇場において澤村源之丞が、四つ綱を張り、空中で怪猫劇を演じた。

 

ドリフの化け猫


www.youtube.com