紀州屋良五郎の大衆演劇・上方芸能 通信

大衆演劇については全国の劇場や公演場所に出かけ、その地での公演の所感・演出効果・劇団の印象を綴ります。さらに大道芸や上方落語、講談、音頭、漫才、見世物、大道芸、放浪芸、映画評についても思いつくままに書き留めてまいります。 末永くのおつきあいをよろしくお願いいたします。

▩ たつみ演劇BOX 梅田呉服座 2023/05/13

 見てもろておおきに〜まいどおなじみの観劇メモでおます

【ライトデー】

 「綺麗に品よく」がモットーの劇団

メンバー

座長  小泉たつみ

座長  小泉ダイヤ

花形  小泉ライト

辰己夢有蝶

愛飢男

女優リーダー  辰巳小龍

辰己花

辰巳満月

辰巳萌萌

辰己和たる

辰巳龍子

 

芝居 「伊達の新三」

配役≫

小泉たつみ‥関東煮の親父・傷ついた子分・茶店の婆さん・蝮一家親分の四役で大奮闘。

 

小泉ダイヤ‥御家人崩れの丹三郞

小泉ライト‥伊達の新三

辰巳小龍‥離れ駒のお蝶

辰巳満月‥茶店の娘

ほか

【あらすじ】 

美しき誤解のキーワードは『何見ても奥ゆかしい』

 

この芝居の展開の背景を面白おかしく、関東煮の親父に扮するたつみ座長が語り笑いのツボに引き込む。

 

奥州仙台から江戸に出てきた百姓の新三。

路銀を使い果たして空腹に耐えかねている。

目の前には「関東煮」の看板をだしたおでんの屋台が。

 

町衆がその前で寛いでいる。屋台の主人は上方出身らしく、上方流におでんを関東煮の看板で商売する。

 

*ライトデーでライトが主演だが巧みな狂言回しと爆笑の仕込みはたつみ座長。浮き上がる主役の新三は面白い演出だ。

 

この関東煮のオヤジが実に巧い。なんとかおでんを食べたいと掛け合う新三を、追い払う。 

仕方なく空腹を堪える。

 

ここで、なんとかおでんに近づこうとする新三と関東煮親父とのやりとりでひとしきり笑わせる。

 

やくざ一家にいながら犬猿の仲の夕立一家、離れ駒のお蝶と御家人崩れの丹三郎がこの店先で凄まじい喧嘩が始まる。

 

口喧嘩から、とうとう本格的な喧嘩に発展。

辺りは大騒ぎで色めきたつ。

そのすきにちゃっかりと口いっぱいに関東煮を頬張るひょうきんで抜け目のない新三。

 関東煮‥関西では、かつては「おでん」と言わず関東煮(かんとだき)と呼んだ。それが、名を変え

関西煮(かんさいだき)森繁久弥は名づけた。

その味と伝統をまもる店が「常夜灯」だ。

他にも関西煮の名店は当ブログでも紹介した。

遠征の折はお訪ね下さい。

 https://ameblo.jp/ka2001/entry-12770762484.html

 

お蝶と丹三郎が剣を交える。危ないので止めようと、おでんの看板を持って二人の間に割って入る新三。

 

結局、喧嘩していた二人の仲裁をしたと早のみこみされる。終始、この美しき誤解がこの芝居の仕掛けとなる。

 

*その誤解のキーワードがあの『何見ても奥ゆかしい』と解釈する丹三郎の役回りなのだ。

 

丹三郎はその新三の振る舞いにいたく感心、名だたる大親分に違いないと思ってしまう。おでんを口いっぱいに頬張った新三が人違いだよと否定するも声が出ない。

 

思い込んだ丹三郎。疑心暗鬼のお蝶を説得、新三を一家に連れて帰る。

 

二人の一家の親分は対立する別の一家の者に殺されたばかりだったので、この新造を新しい親分にと考え、奉ってしまう丹三郎。

 

*二幕目の仇討ちの段からいよいよ、本日の主役ライト花形の面目躍如。男修行を終え、貫禄ある親分の出で立ちで登場となる。

 

この続きは中々面白い展開。

どうか、ここから先はぜひ舞台にて‥

 

さすが、笑都・大阪うまれの座長。

喜劇の間合いは絶品だ。関西が誇るたつみ演劇BOX。嵐劇団&のぼる會を源流とする数々の劇団が今、大衆演劇文化の担い手となり全国を牽引している。

 

 

口上挨拶  座長 小泉たつみ

 

・今日も古い芝居なんです。15歳で私がやらせてもらった芝居なんです。

・明日からの演目紹介、ゲスト紹介。

・各種イベントの紹介。

27 たつみデーは「中村仲蔵」をはじめてやります。講談も聞いて仕込み中です。役者は伝統を護ることも大切ですが新しい試みをするところから次の「かたち」が生まれると思っています。と

・グッズ販売

 

 

舞踊ショー

・ラストショー   

 

【画像】

芝居が好きな観客で満席となる、たつみ演劇BOX紀州屋良五郎