〇 まいどおおきに〜映画メモでおます
◎ なかなか見応えがある作品だ。
時系列的に昭和から平成の中で起きた事件、その中で本音で生きるヤクザ達の群像を活写する。
栄枯盛衰は世の習い――時の流れとともに変調していくヤクザ者たちの生きざまが、とことん生々しい。この映画はタブーを恐れない。だから全国一斉ロードショーではないのだ。
井筒監督が掲げた共通点は「社会から無用とされ、貧困と差別、汚辱と暴力で抗ってきた『寄る辺なき者たち』」というもの。その“魂”は「無頼」にも継承されている。
映画では実名こそ出ないが創価学会が公明党藤井都議をを介し暴力団後藤組に墓苑開設に絡む案件で100条委員会潰しを画策する裏工作もリアルに描かれていて拝金権力まみれの宗教団体の実態が裸になってる。井筒映画はいつみても痛快である。
主題歌は泉谷しげるの「春夏秋冬〜無頼バージョン」で、この歌も冴えている。
モデルになったのは、おそらく自叙伝『憚りながら』を出版しその半生を書き下ろした人物。富士宮市に本拠を構えた山口組系暴力団・後藤組元組長、後藤忠政氏であろうと推測する。
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