紀州屋良五郎の大衆演劇・上方芸能 通信 はてな版

大衆演劇については全国の劇場や公演場所に出かけ、その地での公演の所感・演出効果・劇団の印象を綴ります。さらに大道芸や上方落語、講談、音頭、漫才、見世物、大道芸、放浪芸、映画評についても思いつくままに書き留めてまいります。 末永くのおつきあいをよろしくお願いいたします。

■ 映画『無頼』を見た

〇 まいどおおきに〜映画メモでおます

 
〇 井筒監督の最新作『無頼』を見た
 
 ◎ なかなか見応えがある作品だ。
時系列的に昭和から平成の中で起きた事件、その中で本音で生きるヤクザ達の群像を活写する。
 

栄枯盛衰は世の習い――時の流れとともに変調していくヤクザ者たちの生きざまが、とことん生々しい。この映画はタブーを恐れない。だから全国一斉ロードショーではないのだ。

 

井筒監督が掲げた共通点は「社会から無用とされ、貧困と差別、汚辱と暴力で抗ってきた『寄る辺なき者たち』」というもの。その“魂”は「無頼」にも継承されている。

 

映画では実名こそ出ないが創価学会公明党藤井都議をを介し暴力団後藤組に墓苑開設に絡む案件で100条委員会潰しを画策する裏工作もリアルに描かれていて拝金権力まみれの宗教団体の実態が裸になってる。井筒映画はいつみても痛快である。

 

主題歌は泉谷しげるの「春夏秋冬〜無頼バージョン」で、この歌も冴えている。

 

モデルになったのは、おそらく自叙伝『憚りながら』を出版しその半生を書き下ろした人物。富士宮市に本拠を構えた山口組暴力団後藤組元組長、後藤忠政氏であろうと推測する。

 

憚りながら (宝島社文庫)
Amazon(アマゾン)
172〜2,774円


 

無頼

2020年 / 日本 / 146分 / R15+ / 配給 チッチオフィルム

監督井筒和幸

主題歌泉谷しげる 「春夏秋冬〜無頼バージョン」

出演松本利夫(EXILE)、柳ゆり菜、中村達也ラサール石井小木茂光升毅、木下ほうか、清水伸、松角洋平、遠藤かおる、佐藤五郎、久場雄太、阿部亮平、火野蜂三、木幡竜、隆大介、三上寛、外波山文明、森本のぶ、中山晨輝、斎藤嘉樹

公式サイトhttp://www.buraimovie.jp/

あぶれ者たちの群像劇を通して逆照射される、もう一つの昭和史アウトサイダーを描き続けてきた井筒監督の真骨頂にして集大成
正義を語るな、無頼を生きろ。太平洋戦争に敗れ、貧困と無秩序の中にいた日本人は、焼け跡から立ち上がり(理想の時代)、高度経済成長の下で所得倍増を追い(夢の時代)、バブル崩壊まで欲望のままに生き(虚構の時代)、そして、昭和が去ると共に、その勢いを止めた。その片隅に、何にも頼ることなく、一人で飢えや汚辱と闘い、世間のまなざしに抗い続けた“無頼の徒”がいた。