紀州屋良五郎の大衆演劇・上方芸能 通信

大衆演劇については全国の劇場や公演場所に出かけ、その地での公演の所感・演出効果・劇団の印象を綴ります。さらに大道芸や上方落語、講談、音頭、漫才、見世物、大道芸、放浪芸、映画評についても思いつくままに書き留めてまいります。 末永くのおつきあいをよろしくお願いいたします。

▩ 映画『愛国者に気をつけろ』を見た

〇 かねてから関心をもつ「鈴木邦男」さんのドキュメンタリーだ。『右』とは何か?をかんがえてみよう。

 

 

〇 予告編

 

 

 

〇 私の見たままを感じたままに 〇

 

一般に右翼とか、左翼のイメージーは自らの主義主張にこだわり、かたくなに、一方的に押し付けるイメージがあった。でも、この人を通し、そうではないと思える運動家を見る思いを強くした。

幅広い懐と対話を重んじる姿にガンジーに似たものを感じた。

 

街頭で見かける右翼団体街宣車は強面で、威圧的で近寄りがたい。

なぜ、拉致問題北方領土南京大虐殺従軍慰安婦問題だけを矢面にするのか。

なぜ、いつも反ロ、反中、反韓、反朝なのか。

 

一時代まえは『米英』は鬼畜と罵っていたはずだ。大東亜共栄圏満州国が右翼だったはずだ。

 

鬼畜たちと戦ったものが右翼であったはずなのに原爆を投下した国にひれ伏し反中をのたまうのが右翼なのか。右の右の右は『究極の左』なのだ。右翼の右翼は左翼の左翼と話し合えるということを教えてくれた映画である。

 

主人公・鈴木邦男日本会議の元になった宗教団体『生長の家』の熱心な信者だった。

北一輝石橋湛山源頼朝聖徳太子、などなど。

是非はともかく、思想家・運動家の国家観の形成に『宗教』の影響があったことだけは確かであろう。

エンディングで語られる言葉には重みがあった。

 

『批判する精神と批判される精神を恐れてはならない』

『正義を主張するものは常に誤りと反省が欠ける』と

 

異論は封じる、力でねじ伏せるそんな時代はもうごめんだ。

 

岸田首相や、知事の吉村さんに付け加えて、公明党の皆さんにもぜひ見てもらいたい映画だ。

 

 

【参考】

▼ 第七芸術劇場のサイトから〜

愛国者に気をつけろ!鈴木邦男

2019年 / 日本 / 78分 / オンファロスピクチャーズ 配給


右翼、左翼、元オウム真理教信者、 どうしてそんなに色々な人たちと仲良くできるの!?
長年、右翼活動家として活動しながらも、元赤軍関者や、元オウム真理教信者たち、元警察官からグラビアアイドルまで、様々な人たちと交流をし続ける謎の政治活動家鈴木邦男76歳。前回制作したドキュメンタリー映画「ナオトひとりっきり」のトークゲストとして来てもらったことをきっかけに、彼に興味をもった私、映画監督・中村真夕。2年間、鈴木に密着し、その思想遍歴をたどる中で、どのようにして彼が政治や宗教の境界を超えて、様々な人たちと交流するようになったかが見えてきた。異なる意見や価値観を持つ人たちに対しての不寛容さが強くなっている今の日本社会で、鈴木のボーダーレスな存在から、この映画で何か突破口を示唆できるのではないかと願っている。

 

制作・監督・撮影・編集中村真夕

共同プロデューサー山上徹二郎

公式サイトhttp://kuniosuzuki.com/

愛国者に気をつけろ!」と叫ぶ、謎の右翼活動家・鈴木邦男
教科書にのっていない戦後の歴史がここにある!

生長の家の信者の家に育ち、早稲田大学では左翼と闘ってきた生粋の右翼活動家・鈴木邦男。17歳の時に初めて、同い年の大日本愛国党の元党員・山口二矢が、日本社会党党首を刺殺する映像に衝撃を受け、愛国のために身を捧げることに目覚めたという鈴木。大学時代には、今の日本会議の前身となる全国学協の代表まで登りつめたが、まもなく失墜。
その後新聞社に就職するも、右翼運動に自らが引き入れた早稲田大学の後輩、森田必勝が25歳にして、三島由紀夫と自決したことに衝撃を受け、職を辞し政治団体一水会を立ち上げることに。政治的・思想的な挫折と葛藤を繰り返す中で見えてきたのは、自らが訴えてきた「愛と正義」、「愛国心」でさえも疑い、そして異なる意見や価値観を持つ人たちの言葉に耳を傾けることだった。社会から疎外された者たちに向ける鈴木のまなざしは限りなく優しさに満ちている。そんな数奇な運命を生き抜いてきた鈴木邦男の素顔に密着したドキュメンタリー映画だ。麻原彰晃の三女・松本麗華、元オウム真理教の幹部・上祐史浩、元日本赤軍で映画監督の足立正生、作家・雨宮処凛拉致被害者家族会の元副代表・蓮池透など多彩な人たちが鈴木について語る異色のドキュメンタリー。