〇 カンヌで2冠の話題作をいち早くみた。是枝裕和作品は欠かさず見ている
〇 予告編
〇 映画の概要
- STORY
-
息子を愛するシングルマザーや生徒思いの教師、元気な子供たちなどが暮らす、大きな湖のある郊外の町。どこにでもあるような子供同士のけんかが、互いの主張の食い違いから周囲を巻き込み、メディアで取り上げられる。そしてある嵐の朝、子供たちが突然姿を消してしまう。
- キャスト
- スタッフ
- 上映時間
- 126分
- 〇私の見たままを感じるままに 〇
- 見ている最中から、この映画はもう一度見たいと思った。そんな映画はまれである。
- 思考が進むに従いまるで、らせん状に、複雑さを増してくる。
- 1つの話だが視点をシングルマザーの母親の視点、先生から見た視線、そして子ども達の視点と三方向から迫ってくる。1つの段階を経るたびに前の推測が覆り、重ね塗りされていくような気持ちにさせられる。脚本がそうさせるのであろう。
- ぐいぐいと引き込まれていく。飽きさせない2時間は瞬く間に過ぎていく。
- 「怪物だれだ~」のフレーズは親、教師、子ども達の三者に問いかける。そうだ、各自の中にある、得体の知れない者が怪物なのだ。私はそう捉えた。この映画の素材はいくつもある。
- 「いじめ」「シングルマザーの子育て」「孤立する教師」「管理体質の教育現場」「性の問題」考えさせられる視点がちりばめられていてそれぞれに深い示唆に富む。なるほどカンヌの受賞作品だといえる深みがある。
- とくに、少年たち二人の会話があまりに、詩的で坂本龍一の音楽と相まって素晴らしいファンタジーに満ちた描写が美しい。二人は愛し始めていた。が、それはなんとなく口に出せないなにか得体の知れない「怪物」のようなものに封印されていてストレートに表現出来ないで居る。
- おなじように、母も、担任の教師も、校長も、それぞれの中の心に「怪物」を見ているのだろう。映画が現実社会の1つの断面を見事に切りとった、そんな映画である。映像作品として至高の快作であると言い切ってよいと思う。
- この映画の中の母親がいじめ教師を追求するシーンから【森友事件の背景を想像させる】
- 少年が花の名前を知っている男の子はもてないと母から云われた会話から【ジェンダー、LGBTの問題を連想させる】